エジプト南部に位置するアスワンは、ルクソールからさらに南へ約215km。ナイル川が美しく輝き、ヌビア文化の色鮮やかな街並みが広がる、ルクソールとはまた違う魅力を持つ都市です。

そしてアスワンから約270kmの砂漠の先には、エジプト旅行の「最大の目玉」のひとつとも言えるアブ・シンベル神殿が待っています。

この記事では、実際にアスワンとアブシンベルを訪れた経験をもとに、おすすめ観光スポット・アブシンベルへの行き方・宿のエリア選び・移動手段の注意点などをまとめて解説します。
アスワンのおすすめ観光スポット
アブ・シンベル神殿
アスワン観光の最大の目的地と言えば、やはりアブ・シンベル神殿です。ラムセス2世が建てた巨大な岩窟神殿で、4体の巨像が正面に並ぶその姿は、写真で何度見ても実物を前にすると圧倒されます。アスワンから車で約3〜4時間の砂漠の道を越えた先にある、まさに「辿り着いた者だけが見られる」場所です。

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フィラエ神殿(イシス神殿)
ナイル川に浮かぶ島に建つ「ナイルの真珠」とも称される美しい神殿です。島への移動にはボートが必要で、その交渉がひとつの体験になります。古代エジプト最後の聖域とも呼ばれ、ここに刻まれたヒエログリフが歴史上最後のものとされています。

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未完成のオベリスク(切りかけのオベリスク)
採石場に放置された巨大な未完成のオベリスク。完成していれば世界最大級になるはずだったと言われており、古代エジプトの石工技術を間近で感じられる珍しいスポットです。アスワン市内から比較的アクセスしやすく、さっと立ち寄れる場所です。
今回はアブシンベルのトラブルで時間が取れず、残念ながら訪問できませんでした。市街地から比較的アクセスしやすいスポットとして、次回の候補にしています。
アスワン・スーク(市場)
市街地に広がるスーク(市場)では、スパイスや香水瓶、ヌビア雑貨などが並んでいます。観光地価格の交渉が楽しめる場所でもあり、ルクソールとはまた違う雰囲気を感じられる場所のようです。
今回は配車アプリが使えず市街地への移動を断念したため、実際には訪れることができませんでした。次回アスワンを訪れる機会があればぜひ行ってみたい場所のひとつです。
| スポット | 特徴 | 所要時間の目安 | 入場料 |
|---|---|---|---|
| アブ・シンベル神殿 | 圧倒的スケールの岩窟神殿。世界遺産誕生のきっかけ | 1〜2時間(往復移動含め1日がかり) | 765EGP |
| フィラエ神殿(イシス神殿) | ナイル川の島に建つ美しい神殿。ボート移動が必要 | 1〜1.5時間 | 550EGP(ボート代別途) |
| 未完成のオベリスク | 採石場に残る巨大な未完成品。技術の痕跡が見られる | 30分〜1時間 | 要確認 |
| アスワン・スーク | ヌビア雑貨・スパイスが並ぶ市場 | 自由 | 無料 |
アスワン観光は何日必要?
| 日数 | 観光できる範囲 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 1日 | フィラエ神殿のみ、またはアブシンベルのみ | ルクソールからの日帰りや短期乗り継ぎ |
| 2日 | アブシンベル(1日目早朝)+フィラエ神殿・スーク(2日目) | 一般的なアスワン観光に最もおすすめの日数 |
| 3日以上 | 未完成のオベリスク・ヌビア村・ナイルクルーズも余裕で楽しめる | ゆっくり滞在したい人・ナイルクルーズ利用者 |
私は今回2泊しましたが、アブシンベルのトラブルもあり正直かなり慌ただしい滞在でした。余裕を持つなら2〜3泊がおすすめです。

アブシンベル神殿への行き方と料金
アスワンからアブシンベルまでは約270〜300km、砂漠の一本道を車で約3〜4時間かかります。個人でのアクセスはできず、何らかの移動手段を手配する必要があります。

| 移動手段 | 料金目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 乗り合いバス・ツアー(Agodaなど) | 3,000〜5,000円程度 | 最もポピュラー。早朝4時頃出発 |
| チャーター車(個人手配) | 10,000〜15,000円程度 | 自由度が高いが割高。交渉次第 |
| 飛行機(アスワン〜アブシンベル) | 高め | 時間を節約したい人向け |
⚠️ 重要:アブシンベルへの道には検問所があります。通常のツアーや手配済みの車であれば問題ありませんが、当日の飛び込みチャーター交渉の場合は通行に時間がかかる場合があります。早めの手配を強くおすすめします。
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アスワンの宿・エリア選びのコツ
アスワンの宿選びは、大きく「市街地エリア」と「郊外エリア」に分かれます。
| 市街地エリア | 郊外エリア | |
|---|---|---|
| 利便性 | ◎ スーク・飲食店・タクシーが近い | △ 周辺に何もない場合が多い |
| 景色 | △ 普通 | ◎ ナイル川の絶景が楽しめる |
| 移動 | ◎ タクシーが捕まえやすい | ✕ 配車アプリ不可・タクシーも少ない |
| おすすめな人 | 観光を効率よくまわりたい人 | 景色重視・ヌビア文化を体験したい人 |

私は郊外のゲストハウスに泊まりましたが、ナイル川の絶景は最高だった一方、配車アプリが全く使えず移動に苦労しました。アブシンベルへのツアーを早朝から利用する予定がある場合やスークや飲食店を気軽に回りたい人は市街地エリアの宿がいいと思います。
【エジプト旅行㉙】アスワン到着|ヌビアンスタイルのゲストハウスとナイル川の絶景
アスワンの移動手段と注意点
① 配車アプリ(Uber・Careem)はほぼ使えない
カイロでは使えるUberもCareemも、アスワンではほとんどマッチングしません。移動手段はタクシーの手配(宿のオーナーに依頼するのが確実)か、徒歩が現実的です。
② フィラエ神殿はボート交渉が必須
フィラエ神殿へは島に渡るためのボート利用が必須ですが、ここで避けて通れないのがボートマンとのチャーター交渉です。

料金は「1台あたり」で計算されるため、一人旅だとどうしても割高になりがち。**私調べ(2024年11月時点の実体験)**では、往復の送迎に観光中の待機時間を含めて、400〜600 EGP(約1,200円〜1,800円)程度が、一つの目安だと感じました。
最初はかなり高めの金額を提示されることも多いですが、この相場を参考にしてみてください。私の場合は交渉の末、500 EGP(約1,500円)でチャーターすることができました。
予算を抑えたい場合は、チケット売り場付近で他の個人旅行者に声をかけて、ボートをシェアする人もいるようです。……が、コミュ障の私には到底無理なミッション。おとなしく「おひとり様」でチャーターしました。
💡 ボート交渉のコツ
・支払いは必ず後払いで(前払いは厳禁)
・「往復+待機〇時間込みでいくら?」と最初に確認する
・「I’ll pay after.(支払いは後で)」とはっきり伝える正しい英文法かどうかを気にする必要はありません。大切なのは、「支払いは後で」という意思を、お互いの共通認識としてしっかり確認しておくことです。
ボート交渉の記事は↓
【エジプト旅行㉚】アブ・シンベル神殿に行けない!?送迎トラブルとイシス神殿への転換
③ 遺跡の入場料はクレジットカード払いのみ
アブシンベル・フィラエ神殿ともに現金不可・カード払いのみです。VISAまたはMastercardを必ず持参しましょう。
④ アブシンベル当日手配は非常にリスクが高い
アブシンベルへのツアーは事前予約が必須です。当日の飛び込みは割高になるだけでなく、検問所で時間を取られるリスクもあります。Agodaなどで事前に手配することを強くおすすめします。
アスワンへのアクセス
| 出発地 | 移動手段 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| カイロから | 飛行機 | 約1時間20分 |
| 寝台列車 | 約12〜14時間(夜行) | |
| ルクソールから | チャーター車(神殿立ち寄りあり) | 約8〜10時間(エドフ・コムオンボ経由) |
| ナイルクルーズ | 2〜4泊かけてナイル川を南下 |
まとめ
アスワンはルクソールとは違う、ゆったりとしたナイル川の風情とヌビア文化が魅力の街です。
そしてアブ・シンベル神殿は、エジプト旅行の中でも「ここを見ないで帰るのはもったいない!」と感じる場所のひとつ。
今の**「世界遺産」という仕組みが生まれるきっかけになった聖地**でもあるんです。
移動も遠くて大変ですし、時間もお金もかかります。それでも、行けるチャンスがあるなら**「行った方がいい!」**と心からおすすめしたい、すべてが報われるほどの圧倒的な光景がそこには待っています。

配車アプリが使えない・ボート交渉が必要・アブシンベルへの早朝移動など、ルクソールより「手間がかかる」面もあります。でもその手間のぶんだけ、たどり着いた時の感動も大きい——それがアスワンの旅の醍醐味だと思います。


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