結論から言うと、エジプトは「命の危険は少ないが、消耗するタイプのトラブルが多い国」です。
- ✔ 命の危険:基本的に低い(主要観光地に限る)
- ✔ 精神的ストレス:かなり高い(声かけ・交渉・チップ文化)
- ✔ 一人旅の難易度:やや高め(東南アジアより上、でも事前知識で十分対応できる)
→ 結論として、主要観光地を普通に旅行する分には「過度に怖がる必要はないが、事前知識なしで行くとかなり消耗する国」です。
エジプトの治安について出発前にネットで調べると、「詐欺が多い」「声かけがしつこい」「危険」という言葉がずらりと並んでいました。正直、出発前はかなり不安でした。でも実際に行ってみると、ネットの情報と「ちょっと違うな」と感じる部分も多かったです。
この記事では、旅前にネットや本で調べたエジプトの治安情報と、15日間の旅のうちエジプト国内で過ごした約10日間(カイロ・ルクソール・アスワン・ギザ)を一人で旅して感じたリアルを、正直に書いておきます。
※ あくまで2024年11月時点の個人的な体験です。治安状況は時期や場所によって変わるため、参考程度にお読みください。
旅前に調べたエジプトの治安情報
出発前に調べた情報をざっとまとめると、こんな内容が多かったです。
まず「エリア」については、カイロ・ルクソール・アスワンといった主要な観光エリアは比較的問題なく旅行できるとされていました。一方で、シナイ半島(特に北部)やリビア国境付近は外務省の危険情報でも注意が呼びかけられているエリアとのこと。通常の観光ルートでは立ち寄ることはありませんが、参考として頭に入れておきました。
外務省の海外安全情報によると、エジプト全体の危険レベルは以下のように分類されているようです(2024年時点)。旅行を検討している方は、出発前に必ず外務省の最新情報を確認してください。
| エリア | 危険レベル | 内容 |
|---|---|---|
| カイロ・ルクソール・アスワン・ギザなど主要観光地 | レベル1(十分注意) | 旅行・滞在に際して十分注意してください |
| シナイ半島北部 | レベル3(渡航中止勧告) | 渡航は止めてください |
| リビア国境地帯・スーダン国境地帯 | レベル2〜3 | 不要不急の渡航は止めてください |
⚠️ 上記は調査ベースの情報です。危険レベルは随時更新されるため、渡航前は必ず外務省の公式サイトで最新情報をご確認ください。
よく書かれていたトラブルの傾向としては、「しつこい声かけ」「タクシーの料金トラブル」「チップ(バクシーシ)要求」「お土産屋への誘導」が多く、銃犯罪や強盗といった身の危険に直結するケースはそれほど多くないとも書かれていました。
総じて「命の危険というより、消耗するタイプのトラブルが多い国」という印象を受けました。これは実際に行ってみても、おおむね当たっていたと思います。
実際に感じたリアル
正直に言うと、10日間を通じて「怖い」と感じた場面は、主要観光地に限ればほぼありませんでした。命の危険を感じたことはゼロです。
一番ストレスだったのは、圧倒的に「しつこさ」でした。観光地を歩いていると、「ガイドいらない?」「馬車は?」「どこから来たの?」といった声かけが何度もあります。慣れてくれば流せるようになりますが、最初のうちは正直、疲れます。
一方で意外だったのは、エジプトの人たちが全体的にとてもフレンドリーなこと。警戒心を持って歩いていると、純粋に「日本人?」「どこから来たの?」と話しかけてくる人が多いことに気づきます。何かを売りたいわけでも、何かを要求したいわけでもなく、ただ話しかけたいだけ、という人も少なくありませんでした。
「危険な雰囲気」よりも「人との距離が近い」という感覚の方が正確で、その違いが分かると少し気が楽になりました。
なお、一般的に女性の一人旅の場合は、露出を控えた服装や夜間の単独行動を避けるなど、より慎重な行動が必要だと言われています。
実際に遭遇したトラブル
「危険」ではなかったものの、「やられた」と感じたトラブルはいくつかありました。
①「英語の先生」を名乗る客引き(カイロ)
カイロのエジプト考古学博物館に向かって歩いていたとき、穏やかな雰囲気のおじさんに「博物館ならあっちだよ」と親切に声をかけられました。「自分は英語の先生だ」と自己紹介し、しばらく雑談ののち「いいお土産屋があるから見ていかないか」と誘われ、軽い気持ちでついて行ってしまいました。
店に入るとオーナーらしき人がいてパピルスをすごい勢いで勧められ、断り続けると態度が豹変。最終的に「買わないならさっさと帰れ!」と怒鳴られました。店を飛び出すと、こちらが怒鳴られているのを店の中でずっと見ていたはずの自称英語の先生おじさんが「近くに別の店もあるよ」と平然と言ってきたのです。——詐欺まがいの店に連れて行っておいて、怒鳴られる現場を目撃しておいて、また次の店へ案内しようとするのか、と。怒りより先にあきれて、無視しました。

⚠️ 後日Googleマップの口コミを確認すると、「英語教師と名乗る人物に誘導された」という報告が多数ありました。カイロの博物館周辺で「教師」「学生」を名乗って声をかけてくる人には注意が必要です。詳しくはこちらの記事に書いています。
▶ 対処法
- 「案内する」と言われても、知らない人についてお店には絶対に入らない
- 目的地はGoogleマップだけで完結させる。道を聞く必要はほぼない
- 親切そうに見える人=安全とは限らない、と最初から頭に入れておく
②タクシーの料金交渉(カイロ郊外)
サッカラ観光の帰り、タクシーの料金交渉でひと悶着ありました。運転手が言った金額を私が聞き間違えた可能性もあるのですが、話がなかなか噛み合わず、結果的にお互い消耗しながら落としどころに落ち着いた……という感じです。運転手自体はいい人でした(たぶん)。
タクシーはメーターを使わないことが多く、乗る前に料金を決めることが大前提です。詳しい顛末は㊻サッカラの記事に書いています。
▶ 対処法
- 乗車前に必ず金額を合意する。「メーターで」は通じないと思っておく
- 合意した金額をスマホのメモに打ち込んで見せると「言った・言わない」を防げる
- カイロ・ギザはUberが使えるのでそちらが断然楽。料金は事前確定でトラブルゼロ
③チップ待ちの沈黙(ルクソール)
ルクソールのホテルでチェックインしたとき、スタッフが部屋まで案内してくれたあと、説明が終わったのに退室しないのです。「Thank you!」と言っても動かない。5秒、10秒……。「あっ、チップだ!」と気づいて慌ててお金を渡しました。これが噂に聞いていた”チップ待ちの沈黙”でした。
エジプトでは写真を撮ってもらったとき、道を教えてもらったとき、荷物を運んでもらったとき——ありとあらゆる場面でチップを求められることがあります。悪意があるわけではなく文化の違いですが、最初は戸惑います。10〜20EGP程度(場面によってはそれ以上)の小額紙幣を常に手元に用意しておくと安心です。
▶ 対処法
- 小額紙幣(5〜20EGP)を財布とは別に分けて持っておく
- 不要なサービスには最初から「No, thank you」と断る。曖昧な態度が一番つけ込まれる
- 何もしてもらっていない場合は、払う必要はない
④撮影してくれたと思ったらチップ要求(王家の谷)
王家の谷で墓の内部を見学していたとき、観光客が立ち入れないエリアを管理している門番のような人がいて、私がスマホで写真を撮ってると「ちょっと見せて」というジェスチャーをしてきました。
何かまずいことをしたのかと思って渡すと、なんとそのエリアの内側に入り込んで、勝手にスマホで写真を撮ってくれたのです。「観光客には入れない場所の写真が撮れたぞ!」という演出のつもりだったようで。ただ……正直そこまで特別な写真でもなく、普通に外から撮れそうな構図でした(笑)。
撮影が終わると、にこやかにチップを要求されました。断る雰囲気でもなかったので払いましたが、普段はスマホを他人に渡さないよう心がけているのに、突然のことで咄嗟に渡してしまいました。今考えると少し不用心だったなとは思いますが、もし本当に撮影禁止エリアでの注意だったら頑なに拒否するわけにもいきませんし、こういう状況の判断って難しいですよね。
なお、観光地でコスチューム(民族衣装や警備員風の衣装)を着た人と一緒に写真を撮ると、同様にチップを求められることがあるようです。撮影前に「これは有料ですか?」と確認しておくと安心です。
▶ 対処法
- スマホを求められたら、まず「何のために?」を確認する
- 撮影前に「これは有料ですか?」と一言確認しておくのが一番シンプルな対策
- ただ、状況によっては判断が難しいケースもある。あまり身構えすぎず、「チップを求められる可能性がある」と頭に入れておく程度でOK
⑤馬車の「ワンダーラー!」(ルクソール)
ルクソール神殿周辺を夜散歩していると、馬車に乗った人たちが「ワンダーラー!ワンダーラー!」と声をかけながら追いかけてきます。何度もやってくるので少し疲れましたが、はっきり「No」と言い続けるのが一番早い解決策でした。
☛ルクソール神殿の夜景とナイル川散歩|馬車の「ワンダーラー!」勧誘に注意
夜に一人で歩いてみた、各都市の印象
一人旅をしていて気になるのが「夜の治安」です。実際に各都市を夜に歩いてみた感想を正直に書いておきます。
| 都市 | 夜の雰囲気 | 一人での感覚 |
|---|---|---|
| カイロ | 夜でも人・車・活気がすごい | 大通りは安心感あり。暗い路地は避けた |
| ルクソール | スーク周辺は夜も賑やか | 怖くなかった、不安もなかった |
| ギザ | 観光客も地元の人も多く活気あり | 夜散歩も怖くなかった |
| アスワン | 郊外のゲストハウス泊だったので静か | 人がほとんど歩いておらず、それはそれで落ち着いた |
カイロ:大通りは安全、本当の脅威は「車」
夜にカイロのダウンタウンを歩いてみましたが、大通りに関しては「驚くほど安全」というのが正直な感想です。21時を過ぎても子ども連れの家族がアイスを食べていたり、若者グループがカフェで談笑していたりと、人の目が絶えずある安心感がありました。

ただ、注意点が二つ。一つは暗い路地。大通りから一歩裏に入ると街灯が極端に少なくなるので、できるだけ人通りのある明るいルートを歩くようにしていました。もう一つは「交通量」。治安よりも危険なのは正直「車」です。夜でもスピードを出して走っている車がいるので、横断には細心の注意が必要でした。
▶ カイロ観光まとめ
ルクソール:夜のスークは賑やかで怖くなかった
ルクソールの市場(スーク)周辺は、夜でも地元の人たちで賑わっていて、一人で歩いていても怖くなかったし、不安もありませんでした。ただ、馬車の声かけは夜でも普通にあります(笑)。

ギザ:人も動物も多くて活気あり
ギザはとにかく人が多い。観光客も地元の人も多く、馬もラクダも多い。夜の散歩も特に怖いとは感じませんでした。ピラミッドのライトアップを遠くから眺めながら歩いた夜は、むしろ気持ちよかったくらいです。
アスワン:静かすぎるくらい静かだった
アスワンは郊外のゲストハウス(ナイル川沿い)に泊まっていたので、周辺は夜になると人がほとんど歩いていませんでした。市街地に泊まると印象は違うかもしれません。静かなのは怖いというより、むしろ落ち着いた感じで、個人的にはゆっくり過ごせました。

ひとつ印象的だったのは、宿の近くにある橋の入口に、銃を持った兵士が数名で警備に立っていたこと。日本ではまず見かけない光景だったので、最初は少し驚きました。エジプトではナイル川の橋やダムといった重要インフラは軍が警備する場合があるようで、特に危険というわけではないとは思いますが、見慣れない光景ではありました。
移動手段と治安の関係
エジプトのタクシーはメーターを使わないことが多く、乗る前に料金交渉が必要です。最初に提示される金額はほぼ高め設定なので、そこから交渉する前提で乗ることになります。
トラブルを避けたいなら、UberやCareemなどの配車アプリが有効です。料金が事前に確定するので、交渉ゼロで乗れます。ただし使えるエリアは限られています。
| 都市 | 配車アプリ | タクシー交渉 |
|---|---|---|
| カイロ・ギザ | Uber使えた | 配車アプリで回避できた |
| ルクソール | ほぼ使えない | 必要(事前に値段を決める) |
| アスワン | UberとCareemを試したがマッチングせず | 必要(事前に値段を決める) |
配車アプリを使うにはスマホが必須です。私は日本で使っているahamoのSIMをそのままエジプトでも使いました。現地でSIMを買い換えなくても日本と同じ感覚でデータ通信が使えるので、到着直後から地図アプリや配車アプリがすぐに動かせて助かりました。特にカイロでは、空港から市内への移動もUberで普通に使えたので、初日からかなり安心感がありました。
使っていたアプリの詳細はエジプト旅行アプリまとめにまとめているので、参考にどうぞ。
事前に知っておくと楽になること
実際に体験して「これを知っておけばよかった」と思ったことをまとめておきます。
- 声かけは基本、無視かはっきり「No」:曖昧な態度が一番つけ込まれます。立ち止まったり目を合わせたりしないのが鉄則
- タクシーは乗る前に料金を決める:降りる時に揉めるのが一番のストレスです。必ず乗車前に金額を合意しましょう。念には念を入れるなら、合意した金額をスマホのメモに打ち込んで見せたり、指で数字を作って確認し合ったりすると、後からの「そんなこと言ってない」を防げます。
- カイロやギザでは配車アプリを積極的に使う:交渉ゼロで乗れるので精神的に楽
- チップ用の小額紙幣を常に持ち歩く:5〜20EGP程度の小額紙幣が何枚かあると慌てない。現地で一番困るのが「細かいお金がない」状況です。ATMで大きな金額の札しか出てこないことも多いので、こまめに崩しておくのがコツ。現地通貨の調達には、海外キャッシングができるクレジットカードが便利でした。私はエポスカードを使っていて、空港や市内のATMでそのまま使えました。スマホの「エポスNet」アプリからいつでもネットバンキング経由で繰り上げ返済できるので、利息を最小限に抑えられて助かりました。

- お金やスマホは人前で出しすぎない:財布を広げるのはできるだけ人目につかない場所で。ウエストポーチやネックポーチを使って、貴重品をすぐに取り出せない状態にしておくと安心です。
- 知らない人についてお店に入らない:どんなに感じがよくても、誘われて入った店でトラブルになることがあります(実体験済み)
- コスチューム姿の人との写真は事前に確認:観光地でコスチュームを着た人と写真を撮ると、チップを求められることがあるようです。撮る前に「有料ですか?」と一言確認しておくと安心です。
なお、出国前に空港ラウンジが無料で使えると待ち時間がかなり快適になります。私はドバイ経由でエジプトへ向かいましたが、長いトランジットの間にラウンジを使えたのは助かりました。楽天プレミアムカードはプライオリティパスが付帯しているので、世界中の空港ラウンジが使えます。長距離フライトが多いエジプト旅行との相性は抜群です。
現地ツアーという選択肢
「移動手段や交渉ごとが不安」という方には、現地発着のツアーを使うのも一つの手です。タクシーの料金交渉や、行き方の調査が丸ごと不要になるので、精神的な消耗をかなり減らせます。
▶ エジプトの現地ツアーを探してみる(GetYourGuide)
▶ エジプトの観光アクティビティを見てみる(Trip.com)
「やっぱりツアーで安心して行きたい」という方は、大手旅行会社のパッケージツアーを検討してみてください。添乗員・ガイド付きで、はじめてのエジプト旅行でも安心です。
▶ JTBのエジプトツアーを見てみる
▶ H.I.S.のエジプトツアーを見てみる
エジプト一人旅が向いている人・そうでない人
ここまで読んで「自分には無理かも…」と思った方もいるかもしれません。でも、このブログのコンセプト通り、私自身も出発前はビビリで人見知りな人間です。それでも行ってよかったと思えています。
判断の参考に、正直に書いておきます。
| 向いている人 | 少し覚悟が必要な人 |
|---|---|
| 多少のトラブルをネタにできる | 声かけや交渉が極度のストレスになる |
| 事前に調べてから行動できる | 現地でのアドリブ対応が苦手 |
| 海外旅行の経験が多少ある | 初めての海外旅行がエジプト |
| 断ることに抵抗がない | 押しに弱くて断れない |
「少し覚悟が必要」な項目に当てはまっていても、事前知識さえあれば十分に楽しめます。私がそうでした。「不安だから行けない」ではなく、「不安だから調べて行く」——それがこのブログのスタンスです。
まとめ:「危険な国」じゃなくて「クセが強い国」
10日間エジプトを一人で旅して感じたのは、「危険な国」というより「クセが強い国」という感覚でした。
命の危険を感じた場面はなかったし、夜に一人で歩いても怖いとは思わなかった。でも、しつこい声かけや予期しないチップ要求、タクシー交渉といった消耗系のトラブルは確かに多い国です。

旅前にある程度「こういうことが起きる」と知っておくだけで、現地での対応が全然変わります。少なくとも私は、知識があったおかげでパニックにならずに済んだことが何度もありました(お土産屋の件は除く)。
不安だけで諦めるには、もったいない国です。
▶ はじめてのエジプト旅行なら、この順番で読めばOKです
① エジプト旅行の基本情報まとめ(気候・ビザ・通貨・注意点)
② エジプト旅行の持ち物ガイド(一人旅で後悔したリアルな必須リスト)
③ エジプト旅行費用まとめ(15日間の総額と内訳を全公開)
▶ エジプトで驚いたこと全般についてはエジプトひとり旅で驚いた13のことにもまとめています。
▶ エジプトひとり旅15日間の全記録


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