※この記事は連載「星空と夜景を追うひとり旅。ときどきナーダム。」の第17話です。
前回の記事は【星空と夜景⑯】人生最高の星空。新月の大草原で天の川を撮ったモンゴル最後の夜です。
大草原での2泊を終えて、いよいよモンゴル最終日。
この日は朝8時にゲルキャンプまで送迎車が来て、そのままチンギス・ハーン国際空港へ向かい、上海行きの飛行機に乗る……という、ただそれだけの予定でした。
ただそれだけの予定だったんです。ホント〜〜に。
結果から言うと、送迎車は1時間近く来ませんでした。そしてやってきたのは、4WDでもSUVでもない、ごく普通のプリウス。そこから空港までは、遊園地の絶叫マシンよりよっぽどスリリングな1時間半が待っていました。
この記事では、その波乱の移動と、チンギス・ハーン国際空港でのチェックイン・保安検査・出国審査、そして制限エリアの様子(お店はある? コンセントは? プライオリティパスは使える?)まで、まるっと正直に書いていきます。
昨夜の星空が嘘のような、静かな曇り空
朝6時半頃にふと目が覚め、ゲルの扉を開けて外を覗いてみると、一面に曇り空が広がっていました。昨夜までのあの吸い込まれるような星空と天の川が嘘のようです。

「うわぁ……本当に昨日まで晴れてくれて良かった……」
心からそう思いました。もし日程が一日ずれていたら、あの奇跡のような星空も、大草原での一人乾杯も味わえなかったかもしれません。新月のタイミングといい、2夜連続の快晴といい、今回の旅は本当に恵まれていたのだと、朝の冷気の中でつくづく実感しました。
歯磨きをしたり、トイレに行ったりしながら、静かな朝の時間を過ごしました。
7:00、大草原に降り出した雨
7時頃になると、ぽつぽつと雨が降り出してきました。
「昨日まで晴れてくれて、本当に良かったなぁ」と改めて思いつつ、ゲルの中で過ごします。
ふと天井を見上げてみると、煙突部分の隙間から雨粒が伝って、ストーブの周りの床にポツポツと落ちてきていました。今回は大雨というほどではなかったので問題ありませんでしたが、「もし土砂降りになったら結構入ってくるのかな?」なんてことを少しだけ考えながら、出発の準備を始めました。

ゲル泊で覚えておくといいこと
ゲルの天井中央には煙突を通すための穴があります。私が泊まった時は小雨だったので数滴垂れてくる程度でしたが、カメラやパソコンなどの精密機器は、念のためストーブ周り(=煙突の真下)に置かないほうが安心だと思いました。荷物はベッドの上か、真ん中から離れた場所に置いてた方がいいかもしれません。
泊まったゲルの設備やWi-Fi事情は【星空と夜景⑫】Kayak Camp到着|モンゴルのゲル初体験レビューに詳しく書いています。
8:00、来ない送迎車と忍び寄る不安
8時に空港行きの送迎車が来る予定だったので、7時50分頃には荷造りを完了。外の様子がわかるようにゲルのドアを開けたまま待機していました。
8時ちょうど。「そろそろ施設の入口まで行って待っていた方がいいのかな?」とも思いましたが、車が入ってくる気配はありません。
どうしようかと迷っていた8時3分、スマホにメッセージが届きました。
「ドライバーが着いたら連絡しますので、外で待たなくても大丈夫です」とのこと。
私がゲルの中からチラチラと外を覗いているのが見えていたのかもしれません(笑)。
「Okay」と返信し、ゲル内で待つことにしました。
チンギス・ハーン国際空港には余裕を持って10:00頃に着けばいいと思っていたので、時間的にはまだ十分に余裕があります。
……しかし、8時半を過ぎても一向に連絡がありません。
このあたりから、少しずつ胸騒ぎがし始めます。
「もしかして、送迎車が向かう途中で故障か何かのトラブルに巻き込まれたのでは……?」
ただ、根が心配性の私は、海外で空港に向かう日はいつも「早すぎるのでは?」と思うくらいのスケジュールを組むようにしています。早めに空港に着いて空港内でゆっくり過ごす前提で動いているため、30分程度の遅れならびくともしません。
ところが、8時45分を過ぎても車は来ず、連絡も途絶えたまま。
さすがに少し焦ってきました。
「宿の人、ちゃんと送迎車頼んでくれてるよね?」
「運転手と連絡取れてるのかな……せめて『今向かってます』くらい教えてほしいな」
ちなみに送迎の料金は、前日の夜にゲル代や食事代とまとめてカードで支払い済みでした。当日その場で払うものは何もなく、チップも渡していません。お金のやり取りが残っていなかったぶん、気持ちの上ではだいぶラクでした。
宿泊費や送迎費の内訳はモンゴル旅行4泊5日まとめ|費用・モデルコース・ゲル泊・星空を実体験で解説にまとめています。
やっと来たプリウス、そして予想外の展開
不安と葛藤しながら外を眺めていると、1台のプリウスが敷地内に入ってきました。
「やっと来た!」
ホッとして荷物を持ちかけた瞬間、プリウスから数人の人が降りてくるのが見えました。トランクから大きめの荷物を下ろしています。どうやら、今日から泊まる新しい宿泊客を乗せてきた車だったようです。
「あれっ……私の送迎車じゃないの!?」
ガックリしつつ、「どうせなら、この車でそのまま空港まで送ってくれないかな……」なんて淡い期待が頭をよぎります。
すると数分後、「ドライバーの準備ができました」とメッセージが入りました。
「あれ? あの後から新しい車なんて入ってきてないけどな……」
首をかしげながら施設の入口へ向かうと、女性スタッフさんが「この車が送迎車です」と、先ほど客を乗せてきたプリウスへ案内してくれました。
「荷物は後ろに載せて、あなたは助手席に座って」
言われた通り後ろに荷物を積み込みますが、肝心の運転手が見当たりません。「まさか、この女性スタッフさんが運転するのかな?」と思っていると、スタッフさんから一言。
「運転手は今急いで朝食を食べていますので、少しだけ待ってください」
「えっ! 今、朝食食べてるって言いました? 聞き違いかな?」と心の中で一瞬思いましたが、「おっ、オッケー」と答えて待つことに。
するとすぐにレストラン棟の方から、口をモグモグと動かした若い女性が急ぎ足でこちらに向かってきました。
「ドライバーです」と紹介された彼女を見て、正直「えっ、この人が!?」と心の中で突っ込んでしまいました。
ここまでの道のりは、道なき道を突き進むなかなかの悪路です。しかも車は4WDではなく、ごく普通の乗用車プリウスです。
人を見た目で判断してはいけないとわかってはいるのですが、まさかこんなに若い女性がドライバーだとは想像もしていなくて、正直かなり驚いてしまいました。
一抹の不安を抱えたまま、波乱の空港移動がスタートするのでした。
なぜモンゴルは「プリウスだらけ」なのか
ここで少し脱線させてください。
「なんで草原の送迎がプリウスなの?」と思った方、私もまったく同じことを思いました。でも実はこれ、モンゴルではぜんぜん珍しくない光景なんだそうです。
調べてみたところ、モンゴルは自国で新車を生産しておらず、走っている車の大半が輸入された中古車で、なかでも日本車のシェアが非常に高いとされています。そのなかでも断トツで多いのがプリウス。「世界一プリウスが多い国」と言われるほどで、街中でも頻繁に見かけました。
理由としてよく挙げられているのが、この3つ。
- 冬は氷点下30度を下回る土地なので、寒さに強くエンジンがかかりやすい日本車が信頼されている
- ガソリン代の負担が大きく、燃費の良さが決定的に効く
- 大気汚染対策として、ハイブリッド車に優遇税制が設けられた時期があった
さらに、モンゴルでは舗装路より未舗装路を走る機会のほうが多いため、車高(最低地上高)を上げる改造をしてオフロードを走らせているプリウスも珍しくないのだそうです。
私が乗ったプリウスは普通の車高のようでしたが(笑)
もっと驚いたのが、遊牧民の方が馬の代わりにプリウスで家畜を追っているという話。JICA(国際協力機構)のサイトでも、プリウスで家畜を遊牧する様子が写真つきで紹介されていました。「草原=馬」という私のイメージのほうが、もう古いのかもしれません。
つまり、日本人からすると「えっ、プリウスでオフロード走るの!?」となる光景も、現地では「え、普通だけど?何?どうかした?」ということなのかもしれません。
……とはいえ、この時の私はそんな知識を1ミリも持っていません。ただただ「プリウスでは厳しくない?」と心の中で叫んでいました。
※このプリウス事情は私が現地で確認したものではなく、帰国後に調べた情報です。あくまで「そういう背景があるらしい」という読み物として受け取ってください。
プリウスで挑む「道なき道」と絶叫系アクティビティ
結局、8時に来る予定だった送迎車が走り出したのは、予定を大幅に過ぎた9時前でした。
助手席に乗り込み、ドライバーさんの運転でいよいよ宿泊先を出発します。
宿泊先から舗装された本線に出るまでは、およそ15分〜20分ほどの道のりです。……と言っても、そこは「道」と呼べるようなものではありません。舗装されていないどころか、過去に誰かが通った轍(わだち)をたどって突き進むような、完全なオフロードです。

目の前には、凄まじい段差や急勾配の坂が次々と現れます。
「え……これ、本当にプリウスで行けるの……!?」
大きなSUVや4WDならまだしも、乗っているのは普通のセダン型ハイブリッド車です。もし途中でタイヤがスタックして動かなくなったりしたら、間違いなく飛行機に乗り遅れてしまいます。心配と不安で生きた心地がしませんでした。
ガタガタどころではない激しい揺れと猛烈な段差を何度も何度も乗り越えていく感覚は、飛行機に乗り遅れたら大変だという焦りも相まって、遊園地の絶叫系アクティビティよりもよっぽどスリリングです。特に助手席に座っていると迫力が凄まじく、身体中に力が入ります。
しかも、数日前にウランバートル市内から宿泊先のゲルへ向かった時に通った道とは明らかにルートが違っていました。
ドライバーさんは運転しながら時折、左手でスマホを取り出して地図を確認しています。
(もしかしてこの辺の道、あんまり詳しくないのかな……?)
そんな疑念が頭をよぎり、不安はさらに跳ね上がりました。
ちなみにこのあたりの草原には、そもそも舗装された道路というものが見当たりません。私のスマホでGoogleマップを開いてみても、実際に走っているルートが道路として表示されているわけではありませんでした。おそらく大まかな方角を確認するくらいしかできなかったのだと思います。
そんな中、目の前にかなりの急坂が現れました。
「まさか……この坂行かないよね? さすがに無理だよね?」と心の中で祈る私。
ドライバーさんも小声で何か独り言を呟いています。
表情を見る限り、おそらく「ここは通れないなぁ……どこから来たんだっけ? あっちだったかな?」みたいなことを言っているように見えました(あくまで私の勝手な想像ですが)。
ところが次の瞬間、彼女は急にアクセルを踏み込み、車を加速させてその急坂へと突っ込んでいったのです!
「えぇっ〜!? マジですか〜!? さすがに無理でしょ〜!?」
思わず運転していない私まで全身に力が入ります。
勢いよく坂を登り始めたものの、途中から徐々に車の勢いが落ちていきました。キュキュキュッ……とタイヤが空回りする嫌な音が響きます。
(ヤバい、止まる! こんなところで止まったら本当に最悪だ……!)
私は歯を食いしばり、必死で力んでいました。
結果的に……なんとかギリギリで登り切ることができました。
「いや今のかなりギリギリだったよね!? 最後完全にタイヤスリップしてたよね!?」と心の中で大ツッコミ。
ひとまず安心し、頼むからこの先も無事に抜け出し、そして間に合ってくれ……と、心の中で強く祈り続けました。
舗装路に出たら一安心……と思いきや?
手に汗握る悪路をなんとか抜け出し、ついに綺麗に舗装された道路へ合流しました。
「あぁ、助かった……これでひと安心だ……」
そう胸を撫でおろしたのも束の間、今度は別の恐怖が襲いかかってきました。
とにかくめちゃくちゃ飛ばすのです。

スピードメーターをチラッと覗き込んでみると、90km、100km……と数字がどんどん上がっていきます。そして最大で110kmまで出ているのを確認してしまいました(笑)。
ここ、少なくとも高速道路ではありません。舗装されてますが、普通の道です。もしかすると、出発が遅れた分のタイムロスを取り戻そうと気を使って飛ばしてくれていたのかもしれませんが、助手席の私としては「怖い、怖すぎる……!😨」とヒヤヒヤしっぱなしでした。
さらに移動中、途中で道を間違えてUターンして戻る場面もありつつ、車はスピードを保ったまま突き進んでいきます。
すると前方で、歩道側を牛の集団が歩いているのが見えました。
「こんな道のすぐ側を普通に牛が歩いてるなんて危ないなぁ。接触事故とかもあるんだろうな……」
なんて思いながら眺めていた、その時です。
なんと、集団の中の1頭の牛が突如方向転換をし、道路側に向かって歩き出したのです!
これにはドライバーさんもさすがにビビったようで、「キャッ!」と悲鳴を上げ、咄嗟に急ハンドルを切って対向車線側へと回避しました。
突然の出来事に驚いたのはこちらも同じですが、対向車線を走っていた車も相当ビックリしたようです。
接触を回避しようと急ハンドルを切ったため、対向車が大きく蛇行運転する形になり、まさにヒヤリハットな瞬間でした。
ひとつだけ、これから行く方に真面目にお伝えしておきたいこと。今回の移動では、実際に牛が道路側へ出てくる場面がありました。草原エリアを車で移動するときは、家畜が道路のすぐ近くにいることも想定して、助手席でも後部座席でも、シートベルトは必ず締めておいてください。
空港到着、そしてスムーズすぎる出国手続き
スリリングなドライブに耐えること約1時間半。
ハラハラドキドキの連続でしたが、なんとか無事に目的地であるチンギス・ハーン国際空港へと10:30頃に到着しました。

無事に到着できたことに安堵したものの、この時の私は自分で運転していたわけでもないのに、既にぐったりとかなり疲れていました。車内であまりにも全身に力を入れまくっていたからです(笑)。
思えば、あんな悪路を普通のプリウスで駆け抜けた彼女の運転技術は、実はかなり凄かったのかもしれません(笑)。
結果的に飛行機にも間に合いましたし、他では味わえないとても貴重な経験ができて、今となっては良かったと思っています。
空港を調べるときの注意(けっこう大事)
ウランバートルの空港は、2021年7月に開港したチンギス・ハーン国際空港(空港コード:UBN)です。市の中心部から南〜南西へ約50km離れていて、市内からだと車で1時間前後かかります。
ややこしいのが、市内近くにある旧空港も、以前は「チンギス・ハーン国際空港」の名前で紹介されていたこと。名前ごと引っ越したような形で、旧空港の現在の名称はボヤント・オハー国際空港、コードはULNです。
そのため「ウランバートル 空港 ラウンジ」などと検索すると旧空港時代の記事が混ざって出てきます。情報を見るときは「新空港(UBN)の話かどうか」を必ず確認したほうがいいです。私も出発前に少し混乱しました。
気を取り直し、すぐに航空券を発行してもらうためチェックインカウンターへと向かいます。
ウランバートル空港は、1階が到着ロビー、2階が出発ロビーという構造になっています。2階へ上がる手段を探してみましたが、私が見た限りではエレベーターしか見当たりませんでした。

春秋航空の手荷物重量チェックは実際にあった?
今回ウランバートルから上海へ利用した航空会社は春秋航空です。

実は事前に「春秋航空は手荷物の重量チェックを行う」という情報を見ていたため、万全の対策をして臨みました。規定の機内持ち込み手荷物は7kgまで。引っかからないよう、重い物は事前に上着のポケットに詰め込んだり、服を重ね着したりして重さを分散させておいたのです。
チェックインカウンター列に並ぶと、混雑もなくわずか5分ほどで自分の順番が巡ってきました。
そして肝心の重量チェックですが……なんと一切計られませんでした。
周りを見渡すと重量を計られている人もいたので、私がバックパックひとつだったからスルーされたのかもしれません。
いくら服のポケットに詰め込んで対策をしたと言っても、私は重いカメラや三脚も持っていたので、もし実際に測られていたら7kg以下に収まっていなかった可能性は大いにありました。
スルーしてもらえて本当に良かったです(笑)。
ただ、これはたまたま運が良かっただけだと思っています。というのも、春秋航空の機内持ち込みルールは、重量だけでなくサイズもけっこう厳しめだからです。
| 運賃タイプ | 機内持ち込みサイズ | 機内持ち込み重量 | 預け手荷物(無料分) |
|---|---|---|---|
| ラッキースプリング | 幅30×高さ40×奥行20cm以内 | 1個7kgまで | 無料枠なし |
| スプリング | 幅30×高さ40×奥行20cm以内 | 1個7kgまで | 20kgまで |
| スプリングプラス | 幅40×高さ55×奥行20cm以内 | 1個7kgまで | 30kgまで |
ポイントは、機内持ち込みの重さはどの運賃でも「1個7kgまで」で変わらず、変わるのはサイズと預け手荷物の枠だけだということ。いちばん安い運賃タイプだと奥行20cm・高さ40cm以内で、他社のLCCでよくある「56×36×23cm」に比べるとかなり小さいです。しかも無料で持ち込めるのは1個まで。
つまり、カメラや三脚のように「重くてかさばるもの」を持っていく場合、機内持ち込みでどうにかしようとするより、預け手荷物の枠が付いてくる運賃を選ぶほうが現実的かもしれません。ラッキースプリングだと預け手荷物の無料枠そのものがないので、あとから追加購入することになります。
「春秋」でも規定が違うので要注意
ややこしいのですが、日本発着の便を飛ばしているスプリング・ジャパン(IJ便)と、今回私が乗った春秋航空(9C便)は、機内持ち込みの規定が別物です。スプリング・ジャパンは56×36×23cm・7kgと一般的なLCCサイズですが、9C便は上の表のとおりぐっと小さくなります。
予約した便名が「IJ」なのか「9C」なのかを必ず確認してから荷物を選んでください。私は完全に混同していました。
私は航空券を購入するときに、この春秋航空の機内持ち込みルールを確認せずに購入していました。
その事実に気づいたのは、日本からの出発時。ティーウェイ航空のチェックインカウンターで実際に荷物の重量を測られた際、「そういえば帰りの春秋航空は何キロまでだっけ?」と気になって調べてみた時です。
空港で初めてその厳しいルールを知ったので、本当に焦りました……。
その時の話は【星空と夜景①】台風で2度の遅延メール。松島(ソンド)の夜景プランが、飛ぶ前に消えたに書いてます。航空券をどう選んで予約したのかは【準備編】台風に怯えながら出発を待つ、モンゴル・上海ひとり旅にまとめています。
※規定は運賃タイプや時期によって変わる可能性があるので、予約前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。
保安検査は靴を脱ぐタイプ
その後のセキュリティチェックも混雑しておらず、5分ほどで通過できました。ちなみに私が利用した際は、靴も脱いで検査を受けるタイプでした。脱ぎ履きしやすい靴で行くと、地味にストレスが減ると思います。
続く出国審査も5分程度で終わり、あっけないほどスムーズに制限エリアへと入ることができました。この日はチェックインから出国審査まで、移動時間を合わせても30分かからなかったと思います。
あれだけ焦って空港に向かったのが嘘のようでした。
この日の実際のタイムライン
「何時に空港へ向かえばいいのか」を逆算する参考になるかと思うので、この日の記録を並べておきます。
| 時刻 | 出来事 |
|---|---|
| 8:00 | 送迎車の予定時刻(来ず) |
| 8:03 | 「着いたら連絡します」とメッセージ |
| 9:00少し前 | ようやく出発(約1時間の遅れ) |
| 〜15〜20分 | 道なき道のオフロード区間 |
| 10:30頃 | チンギス・ハーン国際空港に到着 |
| 10:45頃 | チェックインカウンターへ |
| 11:15頃 | 保安検査・出国審査を終えて制限エリアへ |
| 12:35頃 | 搭乗開始 |
草原からの移動が約1時間半、空港に着いてから制限エリアに入るまでが45分ほど。結果的に、フライトの約2時間前に空港へ到着した形になりました。1時間遅れても間に合ったのは、そもそも余裕を持ったスケジュールを組んでいたからだと思います。
ペットボトルの水が買えない! 制限エリアで飲み物を探した話
無事に出国手続きを終え、のどが渇いたのでペットボトルの水を買おうとエリア内を歩いてみました。ところが、これがなかなか見つからないのです。
免税店や土産物店はあるのですが、置いてあるのはカシミヤやチョコレート。日本の空港のコンビニのように、ペットボトルの水がずらっと並んでいる売店が見当たりません。
諦めて自動販売機で飲み物を購入することにしました。
これが、なかなか珍しい自動販売機でした。

「MAGIC Mart」と書かれたその自販機は、大きな液晶タッチパネルが付いた最新式のもの。画面を見ると、ジュースだけでなくスナック菓子やちょっとしたコスメのようなものまで並んでいて、まるで小さな無人コンビニのようです。

ただ、見慣れない商品ばかりで何を選べばいいのか迷ってしまいます。
結局、パッケージにハングルで「루비자두 Tealog アイスティー ZERO」と書かれたペットボトルを選びました。

表示された価格は7,100トゥグルグ。あとで確認したところ、私のカードの請求額では約334円でした(2026年7月時点。為替やカード会社の換算レートによって変わります)。
ちなみに後でボトルをよく見たら、下のほうに小さく「500mL(0kcal)」と書いてありました。ゼロの正体はカロリーだったようです。そして「루비자두」は韓国語で“ルビープラム”=すもものこと。甘いはずでした(笑)。韓国のメーカーが作っている商品のようで、モンゴルの空港で韓国の飲み物を買っていたことになります。
空港価格とはいえ、「自販機の飲み物一本で300円超えかぁ……高いなぁ」としみじみ感じつつ、冷たいアイスティーで一息つきました。
あとから思えば、カフェみたいなところはあったので、もしかするとペットボトルの水とかも売ってたのかもしれません。

日本の空港のノリで「保安検査を抜ければコンビニくらいあるでしょ」と思っていると、私と同じようにペットボトル難民になるかもしれません。とはいえ自販機があるので、水分に困ることはないはずです。
現金を使い切っていても大丈夫でした
この自販機、クレジットカードで支払えました。帰国前にトゥグルグの現金を使い切ってしまっても、制限エリア内で飲み物は買えます。
私はモンゴル滞在中もほとんどカードで乗り切ったのですが、海外だと「カードが使える/使えない」で行動のしやすさがけっこう変わります。どのカードを持っていくかは海外旅行で使うクレジットカードをまとめた記事に書いているので、よければどうぞ。
チンギス・ハーン国際空港の制限エリアには何がある?
私が実際に見た範囲、そして撮ってきた写真から確認できたものをまとめます。

| 設備・お店 | 内容 |
|---|---|
| 免税店・土産物店 | ULAANBAATAR DUTY FREE、HUNNU art shopなど |
| カフェ | Segafredo Zanetti Espresso。席もあり、パソコンを開いている人もいました |
| レストラン | MENYA AKUTAGAWA。看板は英語表記だけでしたが、日本のラーメン店のようです(この日は開いてないようでした) |
| 自動販売機 | タッチパネル式の「MAGIC Mart」。カード決済可 |
| ラウンジ | MIATモンゴル航空の「BLUE SKY LOUNGE」 |
| ATM・タックスリファンド | STATE BANKのカウンターあり |
| コンセント | 搭乗ゲート前の待合席に、座席と一体になったコンセントあり |
| トイレ | 普通に綺麗でした。特に困ることはなかったです |
| 給水スポット | 案内板に水飲み場のマークあり。ただし私は使っていないので使い勝手はわかりません |
| その他の案内表示 | 喫煙所・休憩スペース・AED・車いす対応のマークが案内板に出ていました |
なお、空港のWi-Fiについては、私は接続を試していないのでわかりません。無料Wi-Fiがあるとしている情報は見かけましたが、私はSIMがそのまま使えたので、そもそもWi-Fiのことを気にしてませんでした。
制限エリアはコンパクトで、私が見た範囲ではひと通り歩いても10分もかかりませんでした。
プライオリティパスで入れるラウンジはありませんでした
楽天プレミアムカードなどでプライオリティパスを持っている方に、ひとつお伝えしておきます。
私が訪れた2026年7月時点では、チンギス・ハーン国際空港(UBN)にプライオリティパスで入れるラウンジは見当たりませんでした。記事を書くにあたってプライオリティパスの公式サイトでも探してみましたが、モンゴルの対象ラウンジは確認できませんでした(2026年8月時点)。
制限エリアにはMIATモンゴル航空の「BLUE SKY LOUNGE」がありますが、こちらはビジネスクラスや上級会員向けのラウンジのようです。また、保安検査を通る前のエリアには「Link Business Lounge」という有料ラウンジがあり、こちらは搭乗クラスに関係なく利用できるとされています。ただし私はどちらも利用していないので、中の様子や料金はわかりません。

ネットで「プライオリティパスが使えた」という記事を見かけることがありますが、それはおそらく旧空港(ULN)時代の情報です。ラウンジの契約は変わることがあるので、出発前にプライオリティパスの公式アプリで「Ulaanbaatar」を検索して確認するのがいちばん確実です。そのうえで、ラウンジをあてにせず時間の潰し方を別で用意しておくのが安全だと思います。私はダウンロードしておいた本と音楽で乗り切りました。
搭乗はボーディングブリッジでした
小さめの空港だったのでバス移動を覚悟していたのですが、私が乗った便はボーディングブリッジでの搭乗でした。エスカレーターで下りて、そのまま機内へ。雨の日でも濡れずに済むのはありがたいです。
ただ、ひとつだけヒヤッとしたのが、エスカレーターを下りたところで搭乗券のチェックが行われていたこと。列が進まずにエスカレーターの下で人が詰まってしまい、少し危ない感じでした。降り口が渋滞していないか、乗る前に一度下を確認すると安心だと思います。

※便や駐機場所によって変わる可能性はあるので、あくまで私が乗った便の場合です。
草原の宿から空港へ向かう日に、気をつけたい3つのこと
今回、最も心配したのは、悪路でも牛でもなく、「送迎車が来ない1時間」でした。
私が泊まった草原のゲルキャンプでは、「送迎がダメだった場合の代替手段」が事実上ないように思えました。道路そのものがなく、タクシーを呼べる場所とも思えず、バス停も見当たらない。歩いて行ける距離でもない。つまり、宿の送迎に頼るしかない、というのが正直な感覚でした(あくまで私が見た範囲での推測です)。
だからこそ、できることは次の3つに絞られると思いました。
- フライト時刻から逆算して「早すぎるかな」と思うくらいの時間で組む。今回、私は1時間遅れても間に合いました。逆に言えば、ギリギリの設定だったら完全にアウトでした。
- 前日のうちに、送迎の時間をスタッフさんに確認しておく。予約時に伝えてあっても、当日のドライバー手配は別人がやっていることもありえます。「明日の朝8時ですよね?」と一度確認しておくだけで、当日の安心感がまったく違います。
- 宿とのやり取りは、消えない形で残しておく。私はメッセージのやり取りが残っていたので、「8時と言われた」という事実をあとから見返せました。電話や口頭だけで決めていたら、たぶんもっと不安だったと思います。
あと、これは結果論ですが、宿とのやり取りがメッセージアプリでできたおかげで、翻訳アプリを使って内容を確認することができたり、後でメッセージの再確認ができたりしました。草原でもスマホが繋がる状態にしておくと、こういう場面でちょっとラクになります。
送迎をお願いするときに確認しておきたいこと
私が実際にやり取りの中で確認したことや、確認しておけばよかったのは、この5つです。
□ 迎えに来てもらう時間
□ どこで待てばいいのか(ゲルの前か、施設の入口か)
□ 行き先の空港(ウランバートルは新旧2つあるので「UBN」まで伝えると確実です)
□ 料金と、支払いのタイミング(私は前夜にまとめてカード払いでした)
□ 当日の連絡手段
逆に「ドライバーさん本人の連絡先」は聞いていませんでした。今回のように連絡が途絶えると、宿のスタッフ経由でしか状況がわからなくなります。ここは聞いておけばよかったな、と思っています。
私が使った通信手段はahamoで、申し込みも設定もなしで、そのまま現地で繋がりました。海外では月30GBまで追加料金なしで使えるので、草原でも地図と翻訳アプリを気兼ねなく使えたのは大きかったです。他の選択肢と迷っている方は海外での通信手段を比較した記事もどうぞ。
空港送迎に不安がある人へ
私は宿の方に直接お願いする形で送迎を手配しました。うまくいけばこれがいちばん安上がりなのですが、今回のように「来ない1時間」を自分ひとりで抱えることになるのが、個人手配のしんどいところです。
「英語のやり取りが不安」「当日来なかったらどうしよう」という方は、最初から送迎込みのゲル宿泊ツアーを選ぶ方法もあります。集合時間と場所が予約時点ではっきり決まっているだけで、当日の不安はかなり減るはずです。
→ モンゴルの現地ツアーを探す(GetYourGuide)
掲載されているプラン数が多いので、時間帯や人数から選びやすいです。
→ 送迎込みのゲル宿泊ツアーを日本語で探す(VELTRA)
予約画面も問い合わせも日本語で完結するので、英語のやり取りに不安がある方はこちらのほうが気がラクだと思います。
もちろん、私のように宿へ直接お願いする方法でも問題なく空港には着けました。どちらが正解ということではなく、「当日トラブルが起きたときに、自分が耐えられるかどうか」で選ぶのがいいと思います。
今回の記事内の場所
| 場所 | メモ | 地図 |
|---|---|---|
| チンギス・ハーン国際空港(UBN) | 2021年7月開港の新空港。市内から約50km、1階が到着、2階が出発ロビー | Googleマップで見る |
| 上海浦東国際空港(PVG) | この日の目的地。次回はここからスタートします | Googleマップで見る |
次は、上海へ
搭乗までの時間を過ごしながら、波乱万丈だったモンゴルの旅を静かに振り返ります。
悪路を爆走したプリウス、少年との乗馬、ウランバートルの夜景、そしてあの息を呑むような星空……。
数々の強烈な思い出を胸に、私はモンゴルを後にしました。
そういえば、結局、あの「おじいちゃん」は誰だったのか?(私が第10話でやり取りしてた宿の人)。
私が勝手に生み出してしまったただの幻影だったのか、それとも本当に存在していたのか——。
……まあ、真相は謎のままでいいのかもしれません。
(・_・;) オジイチャン…ドコ…
4泊5日でかかった費用や回ったルートはモンゴル旅行4泊5日まとめに、市内観光だけを知りたい方はウランバートル観光まとめにまとめています。
この後は、経由地であり今回の旅の最終目的地でもある、中国・上海(浦東国際空港)へと向かいます!

上海はネットの制限やキャッシュレス事情など、モンゴルとはまったく勝手が違う国です。またしてもビビりながらのスタートになりそうです。
前回の記事は→【星空と夜景⑯】人生最高の星空。新月の大草原で天の川を撮ったモンゴル最後の夜
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※料金・制度・施設の内容は2026年7月(著者の訪問時点)の情報です。変更される可能性があるので、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。


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