※この記事は連載「不安だらけのエジプトひとり旅」の第⑲話です。初めての方はエジプトひとり旅15日間の全記録から読むと流れがわかりやすいです。
前回の記事:【エジプト旅行⑱】アラバスターのお土産屋さんと穴場遺跡「メディネト・ハブ」|ルクソール西岸ツアー後半
荒野に佇む、哀愁漂う二体の巨人「メムノンの巨像」
西岸観光の最後に立ち寄ったのは、平原にぽつんと佇む「メムノンの巨像(Colossi of Memnon)」です。

かつてここには、アメンホテプ3世の巨大な葬祭殿が建っていました。しかし後世に石材が転用されたことなどもあり、現在残っているのはこの二体の巨像のみとなっています。
葬祭殿はアメンホテプ3世の時代、エジプト史上でも最大級の規模を誇ったとされていますが、後の第19王朝のファラオ・メルエンプタハによる石材の転用に加え、たびかさなる洪水や地震などの影響も重なって失われたと言われています。今では、かつての壮麗さを想像するしかありません。
長い年月のあいだに風化によって顔の細かな表情も判別できないほどになったその姿には、どこか寂しさのようなものも漂っていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 像の主 | アメンホテプ3世(第18王朝) |
| 高さ | 約18メートル |
| 入場料 | 無料(チケット不要) |
| 世界遺産 | 「古代都市テーベとその墓地遺跡」として登録 |
ハトシェプスト女王葬祭殿や王家の谷を含めたルクソール西岸の観光全体については、まとめ記事で詳しく解説しています。
▶ 【ルクソール観光まとめ】見どころ・モデルコース・行き方・必要日数を解説
「泣き声をあげる巨像」伝説の真相
この巨像には、古代から伝わる不思議なエピソードがあります。
紀元前27年頃の地震によってひびが入った右側の像が、夜明けになるとうめき声や口笛のような音を発していたのです。この音は、温度変化や朝露の蒸発によって石の内部で生じたものと考えられていますが、原因は完全には解明されていません。

この現象を目撃したローマ時代の人々は、ギリシャ神話に登場するエチオピア王「メムノン」が母を慕って嘆く声だと解釈し、瞬く間に有名な観光地となりました。ハドリアヌス帝の妻サビナも訪問し「日の出後の最初の一時間に声を二度聞いた」という記録まで残っています。
この「歌う巨像」を最初に書き残したのは、古代ギリシャの地理学者ストラボンとされています。彼自身は「像が発している声なのか、近くにいる人間が出している声なのか分からない」と疑問も呈していたようですが、それでもこの不思議な巨像はローマ世界中に知れ渡り、皇帝ハドリアヌスをはじめとする要人がわざわざ見物に訪れる、当時屈指の観光名所となりました。約2,000年前から人々を惹きつけてきたと考えると、ロマンを感じます。
その後、ローマ皇帝セプティミウス・セウェルスが像を修復して上半身を取り付けると、以降は音が鳴らなくなったと伝えられています。
西岸観光を終えて|熱風とともに駆け抜けた半日
ルクソール西岸は、古代エジプトの重要な遺跡が集中するエリアとして知られています。今回のツアーでは、そんな西岸の主要な見どころを半日でぐるりと巡ることができました。
- ハトシェプスト女王葬祭殿で岩壁に溶け込む神殿建築に圧倒され
- 王家の谷で地下に眠る王たちの「永遠の家」を見学し
- メディネト・ハブで地上に刻まれた王の「誇り」に触れ
- 途中、お土産屋さんでエジプト経済に(ほんの少しだけ)貢献
これだけ回ってツアー料金は¥2,638。個人でタクシーをチャーターすることを考えると、個人的にはかなり安いと感じました。
そして、ここでドライバーのアリーさんともお別れです。

ルクソール観光ドライバーのチップ相場
気になるチップですが、ルクソールでは半日観光ドライバーの場合、100〜300エジプトポンド(日本円で約300〜900円)程度がひとつの目安と言われているようです。ドライバーの対応の良さや観光時間の長さによっても変わってきます。
私の場合、アリーさんがとても親切だったので相場より少し多めに渡した……気もしますが、具体的な金額はすっかり忘れてしまいました(笑)。
ちなみにチップは、別れ際にさりげなく握手をしながら渡すとスマートです。新札である必要はなく、しわのあるお札でも問題ありません。「これでお茶でも」くらいの気軽な気持ちで渡せばいいと思います。
💳 エジプトはチップや小さな現金払いの場面が多い国です。海外での現金の引き出し方やカード事情については、こちらの記事でまとめています。
▶ 【エジプト旅行費用まとめ】15日間ひとり旅の総額30万円のリアルな内訳を全公開
このツアーで一番よかった「時間の自由さ」
今回のツアーで特に良かったのは、観光時間にほとんど制限がなかったことでした。各観光地で車を降りると、ドライバーは「このあたりで待っているよ」と言うだけで、「何時までに戻って」「滞在時間は〇分」といった細かな指定は一切ありません。
そのため、ハトシェプスト女王葬祭殿でも王家の谷でも、時間を気にせず自分のペースで観光することができました。
団体ツアーの場合は観光時間が決まっていて移動も団体行動になるため、自由度はかなり低くなると思います。その方が楽という人もいるかもしれませんが、少なくとも私には個人ツアーが合っていたと感じます。結果的に、このツアーを選んで本当に良かったです。
今回のツアーはツアーと言ってもガイドが案内するとかではなくドライバーが観光場所まで連れてってくれるだけです。どちらかというとチャーター車って感じです。
一人旅だと現地ツアーが見つかりにくい問題
今回の西岸ツアーや気球ツアーを探す際、私はさまざまなサイトをチェックしました。
しかしほとんどのツアーは「2名以上での参加」が条件で、一人参加が可能なケースでも追加料金が高額だったり実質2人分の料金がかかるケースが多く、なかなか条件に合うものが見つかりませんでした。
💡 一人参加OKの現地ツアーを見つけるコツ
- 「料金は1名あたり」か「1グループあたり」かを必ず確認。チャーター系は「1台あたり」のことも多く、一人だと割高に感じても、2〜3人で割れば安くなる
- 「プライベートツアー」より「乗合・混載(シェア)ツアー」を選ぶと一人参加でも料金が抑えられることが多い
- 複数のサイトを横断して比較する。同じツアーでもサイトによって最低催行人数や料金が違うことがある
最悪の場合は現地でタクシーやUberの運転手に直接交渉するしかないかな、とも考えていました。ただその場合は、運転手が見つかる保証がない・価格交渉が必要・ぼったくられる可能性など、不安な点もあります。
ちなみに、ツアー探しや現地での移動・翻訳に役立ったアプリは、こちらの記事でまとめています。
▶ エジプト旅行で使ってよかったアプリまとめ|15日間ひとり旅の実体験で解説
そんな中で見つけたのがAgodaの現地ツアーです。しかもスペシャルプロモーションで割引中。価格もかなり安かったので、見つけたときは正直かなりテンションが上がりました。
ただ、これは当時Agodaの現地ツアーがキャンペーンで特別に安くなっていたタイミングだったから利用できたもので、現在改めて探してみると、ここまで安いツアーはなかなか見つからないです。タイミングや時期によって料金は大きく変わるので、いくつかのサイトを比較しながら、そのときお得なものを探すのがおすすめです。
🗺️ ルクソール西岸ツアーを探すなら
一人参加OKのプランを選ぶのがポイントです。複数のサービスを比べてみることをおすすめします。
→ ルクソールのツアーを探してみる(GetYourGuide)
→ ルクソールの体験・アクティビティを探す(Trip.com)
→ルクソールのアクティビティをチェックする(Klook)
→ルクソール現地ツアーを見てみる(VELTRA)
まとめ|ルクソール西岸は半日ツアーでも十分楽しめる
王家の谷やハトシェプスト女王葬祭殿など、古代エジプトを代表する遺跡が集まるルクソール西岸。半日ツアーでも主要な見どころを効率よく巡ることができ、個人的にはとても満足度の高い観光でした。
| 訪問スポット | ひとこと |
|---|---|
| ハトシェプスト女王葬祭殿 | 岩壁に溶け込む3段テラスの絶景 |
| 王家の谷 | 地下に眠る王たちの色鮮やかな世界 |
| メディネト・ハブ | 観光客少なめの穴場。深彫りレリーフが圧巻 |
| アラバスターのお土産屋 | 見る分には面白いけど高め。無理に行かなくてもOK |
| メムノンの巨像 | 無料。哀愁漂う巨像との対面 |
各訪問スポットの詳しい記事はこちら。
▶ 【エジプト旅行⑯】ルクソール西岸ツアー開始|ハトシェプスト女王葬祭殿の絶景
▶ 【エジプト旅行⑰】王家の谷観光ガイド|ツタンカーメンの墓・チケット料金・おすすめの墓5選【ルクソール】
▶ 【エジプト旅行⑱】アラバスターのお土産屋さんと穴場遺跡「メディネト・ハブ」|ルクソール西岸ツアー後半
ルクソールを訪れるなら、西岸観光は間違いなく外せないスポットです。次の記事では、ナイル川東岸を紹介します。
ルクソールの観光スポット・モデルコース・移動手段については、まとめ記事で詳しく解説しています。
▶ 【ルクソール観光まとめ】見どころ・モデルコース・行き方・必要日数を解説


コメント