前回の記事:【エジプト旅行⑮】ルクソール気球ツアー当日|夜明けのナイルを渡り、西岸へ
ルクソールのホテルでの朝食
本来なら気球の上で迎えるはずだった朝。ツアー中止で予定より早くホテルに戻ることになりましたが、そのおかげでゆっくり朝食をいただくことができました。時刻はまだ朝7:15です。

普段はあまりパンを食べない私ですが、ここのパンは驚くほどおいしく感じました。エジプトはパン文化が古く、「発酵パン発祥の地」とも言われているそうで、その長い歴史が味に出ているのかもしれません。

ホテル屋上の朝食会場からは、王家の谷のある西岸の山並みや、ルクソール神殿、そして穏やかなナイル川が見渡せる絶景。気球に乗れなかった残念な気持ちも、この景色のおかげでかなり癒やされました。


本日のツアー概要と料金
この後は10時から、アゴダで予約していた「ルクソール西岸日帰りツアー(王家・女王の谷、ハトシェプスト女王葬祭殿など)」に参加しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予約サービス | Agoda |
| 料金 | ¥2,638(2024年11月時点) |
| 含まれるもの | ホテル送迎込み |

ルクソール西岸は、王家の谷やハトシェプスト女王葬祭殿など古代エジプトの重要遺跡が集まるエリアです。ホテル送迎込みでこの価格は、驚きのコスパです。
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気球中止のおかげで出発まで部屋で一休みする余裕もでき、10時ちょうどにロビーへ。迎えに来てくれた若いドライバー、アリーさんの車に乗り込み、いよいよツアー開始です。道中、彼が地元の商店でそっと水を買ってくれたのも嬉しい心遣いでした。

橋で渡る、現代のナイル越え
以前は東岸と西岸を結ぶ橋が少なく、渡し船が主要な移動手段だったそうです。現在は橋が整備され、ツアー車両もその橋を使ってスムーズに西岸へ向かいます。
朝のナイル川を横目に走っていると、「いよいよ古代遺跡エリアに入るんだな」という実感がじわじわと湧いてきました。
ハトシェプスト女王葬祭殿|巨大な岩壁に溶け込む神殿
まず最初に向かったのは、巨大な岩壁に吸い込まれるように建つハトシェプスト女王葬祭殿。

古代エジプトでも珍しい女性のファラオ、ハトシェプストが自らの権威を示すために築いたこの神殿は、一般的なエジプトの神殿とは一線を画すモダンな3段テラス構造が印象的です。背後にそびえる断崖絶壁とのコントラストは圧巻の一言!
ハトシェプストは紀元前15世紀頃(在位:紀元前1479年頃〜紀元前1458年頃)にエジプトを統治したファラオで、古代エジプトでは珍しい女性の王として知られています。本来ファラオは男性が務めることが一般的でしたが、彼女は王権を象徴する「付け髭」を身につけるなど、男性ファラオと同じ姿で統治したとされています。交易や建築事業にも力を入れたことで知られ、この壮大な葬祭殿もその権力と繁栄を象徴する建造物の一つです。
ただ、彼女の死後には少し切ない話があります。後継者のトトメス3世の時代に、神殿内のハトシェプストの像や名前の多くが削り取られてしまったとされているのです。女性がファラオとして君臨したという前例が、後世の王位継承に混乱をもたらすことを恐れたためという説が有力なのだとか。いずれにせよ、壮大な神殿だけは時代の荒波を越えて残り続けました。
この神殿の背後には高さ数十メートルにも及ぶ断崖がそびえ、三層のテラスが段状に重なるように建てられています。遠くから見ると岩山と一体化しているようにも見え、まるで自然の景観の中に溶け込むように設計されているのが特徴です。
古代エジプトでは、ナイル川の東側は「生者の世界」、西側は「死者の世界」と考えられていました。ルクソール西岸にはこうした思想を反映した遺跡が数多く残されており、まさに巨大な歴史エリアといえる場所です。
「あ、本物だ……!」思わず足が止まった瞬間
遠くからその姿が見えた瞬間、「あ、本物だ……!」と、思わず足が止まりました。写真では何度も見ていたはずなのに、実際に目の当たりにするそのスケール感は、想像をはるかに超えていました。



神殿の前には広い広場があり、ここから撮る写真はまさに定番のビューポイント。断崖絶壁を背景に一直線に伸びるスロープと三段のテラスが一望でき、ハトシェプスト神殿らしい壮大な景観を写真に収めることができます。

地元の子供たちが遠足に来ているのか、たくさんの学生の姿も見かけました。

入場料は440エジプトポンド(2024年11月当時、約1,300円ほど)。チケットを購入して入場します。ここでも入場前に荷物検査などがあります。
テラスを登る|壁画とプント交易の跡
テラスを繋ぐ緩やかなスロープを上がっていくと、かつて女王がプント交易(現在のソマリア・エリトリア・ジブチ周辺、いわゆる「アフリカの角」周辺とされる地域)で手に入れた没薬の木を植えたとされる跡や、鮮やかな色彩が残る壁画を間近で見ることができます。
※プント国の正確な場所は現在も特定されていませんが、ソマリア・エリトリア・ジブチ周辺のアフリカ東部沿岸が有力とされています。
11月で涼しいベストシーズンとはいえ、日中は暑いです。強い日差しを遮る場所が少ないので、帽子やサングラスは必須です。それでも最上階から見渡すルクソールの景色は、まさに女王が見た景色そのものかもしれません。

神殿内部|数千年前の夜空が、そこにあった
神殿の内部へと足を踏み入れると、そこには外観の力強さとは対照的な、繊細で美しい世界が広がっていました。

特に目を奪われたのが、見上げた天井一面に広がる深い青色の彩色です。数千年前のものとは思えないほど鮮やかに残る黄色い星の装飾は、まるで古代のエジプト人が見上げた夜空をそのまま閉じ込めたかのよう。壁面に刻まれたヒエログリフやレリーフも、当時の息吹を感じさせるほど緻密に残っており、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。

また、神殿の入り口付近やテラスには、凛々しい表情をしたスフィンクス像が鎮座しています。断崖絶壁を背に、静かにこの地を見守り続けるその姿は、女王の威厳を今に伝えているようでした。

次はいよいよ、王家の谷へ
気球には乗れませんでしたが、それを忘れるくらい、この日の西岸観光は濃密でした。
ハトシェプスト女王葬祭殿を後にし、次に向かったのは古代エジプトの王たちが眠る「王家の谷」。ツタンカーメンの墓でも知られる、世界的にも有名な遺跡です。3,000年前の闇の中へ、いよいよ踏み込みます。
ルクソールの観光スポット・モデルコース・移動手段については、まとめ記事で詳しく解説しています。
▶ 【ルクソール観光まとめ】見どころ・モデルコース・行き方・必要日数を解説
エジプト旅行の全体像が気になる方はこちらもどうぞ。
▶ エジプトひとり旅15日間の全記録|不安だった私が、行ってよかったと思うまで
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