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【エジプト旅行⑲】ルクソール西岸半日ツアー体験記|王家の谷・ハトシェプスト神殿・メムノンの巨像を巡る
西岸ツアーを終え、ホテルで一息ついたものの、じっとしているのはもったいない。せっかくのルクソール2日目の夜、昨日とはまた違う景色を求めて街へ繰り出しました。

闇に浮かび上がる3,000年の威容
今夜の目的地は、ルクソール神殿周辺です。拠点にしている「Queens Valley Hotel」を出て、昨日のスーク(市場)の迷宮とは異なるルートで、神殿を外側からぐるりと一周するように歩いてナイル川沿いを目指します。

夜の闇の中に白く浮かび上がるルクソール神殿は、遠くから眺めるのとは別次元の圧倒的な存在感でした。ライトアップされた巨大な列柱や塔門が、夜の空気の中にくっきりとした輪郭を刻んでいます。3,000年以上もの時を経た建造物が放つ、時空を超えたエネルギーに思わず足が止まります。

ルクソール神殿は夜間も開館しており、柵越しに中を覗くと、ライトアップされた遺跡の間を歩くたくさんの観光客の姿が見えました。夜の遺跡探検を楽しんでいる人々の声が遠くに聞こえ、どこかお祭りのような活気が神殿内に満ちているのが伝わってきます。

ふとナイル川に目を向けると、停泊するクルーズ船が放つイルミネーションが、静かな川面にゆらゆらと反射していました。古代の遺跡と現代の光が交差する、なんとも幻想的な光景です。
執拗な呪文「ワンダーラー!」との攻防戦
のんびりと夜風を楽しんでいると、背後からカポカポという蹄(ひづめ)の音が近づいてきました。
「ワンダーラー!ワンダーラー!(One dollar!)」
馬車のおじさんです。「1ドルで乗せてあげるよ」というお決まりの勧誘。最初は「No, thank you!」と笑顔でかわしましたが、彼は諦めません。私の歩くペースに合わせて、馬車がじりじりと横をついてきます。
「ワンダーラー」「ワンダーラー」「ワンダーラー」……。
断っても断っても終わらない会話のループ。最終的に私が選んだ戦略は「完全無視」でした。前だけを見てひたすら歩き続けると、ようやく馬車は別の「獲物」を探しに去っていきました。エジプトの勧誘に対しては、申し訳なく思わず、時には「無」になるのも立派な防衛術だと実感した瞬間です。

⚠️ 注意!謎の独自通貨「ワンダーラー」の正体
ここで、ルクソールを歩く皆さんにひとつお伝えしたいことがあります。
馬車の勧誘で飛び交うこの「ワンダーラー」。直訳すれば「1ドル」ですが、これはアメリカドルのことではありません(笑)。
おそらく、馬車のおじさんたちの世界だけで通用する独自通貨「ワンダーラー」だと思ったほうがいいでしょう。「1ドル」という言葉の響きで安さを印象づけているだけで、実際に何を指しているのかは曖昧です。エジプトポンドのこともあれば、もっと高い金額に化けることもあります。
さらに厄介なのは、この「ワンダーラー」はあくまで乗る前の言い値に過ぎないということ。乗車した後に「チップは別だ」「距離が長かったから追加料金だ」と、最終的な着地点が最初の金額と全く異なるトラブルがルクソールでは頻発しているそうです。
💡 もし馬車に乗る場合は、【金額・通貨・チップの有無】を乗る前に必ず明確にしておくのが鉄則。交渉が面倒だと感じたら、「断る→無視する」の二段構えで対応するのが、精神的にも一番楽な正解ルートです(笑)。
ルクソールの輪郭を掴んだ帰り道
神殿を一周し、ナイル川沿いを歩いたあと、ホテルの北側から戻るルートで歩いたことで、ルクソールの街の輪郭が少しずつ自分の中に馴染んできた気がします。

美しくライトアップされた神殿、ナイル川に揺れる光、そしてしつこくついてくる馬車のおじさん……。そのすべてが混ざり合って、今のルクソールの夜を作っている。そんなことを考えながら、充実した2日目の夜を締めくくりました。
明日はツアーではなく、個人でルクソール神殿とカルナック神殿を観光します。
ルクソールにはこの他にも多くの見どころがあります。
王家の谷やルクソール神殿など、ルクソール観光のまとめはこちらの記事で紹介しています。
→ ルクソール観光まとめ


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