※この記事は連載「不安だらけのエジプトひとり旅」の第⑮話です。初めての方はエジプトひとり旅15日間の全記録から読むと流れがわかりやすいです。
前回の記事:【エジプト旅行⑭】夜のルクソール散歩|スークの迷宮とライトアップされた神殿、街に溢れる「10番」の謎
ルクソール名物の熱気球ツアーに参加するため、早朝2時半に起床。真っ暗なナイル川を船で渡り、西岸の離陸会場へ向かいました。しかもひとり参加は私だけ。周りはグループ客ばかりです。
先に書いておくと、この日、私は気球に乗れていません。
ただ、乗れなかったからこそ書けることがあります。「何時に起きるのか」「どこでどれだけ待つのか」「中止になったら返金されるのか」——ここは、飛べた人の記事にはまず出てこない部分です。
この記事は2024年11月の実体験がベースですが、料金相場・返金の考え方・中止の事例などは2026年9月時点で調べ直した情報を記載しています。
🎈 ルクソールの気球ツアーを探すなら
→ ルクソールの現地ツアーを見てみる(VELTRA)
予約画面もカスタマーサポートも日本語で完結するので安心です。
→ ルクソールのツアー・アクティビティを見てみる(GetYourGuide)
気球ツアーの掲載数とレビューが多く、キャンセル条件が商品ページに表示されるので比較しやすいです。
早朝2時半。アラームの音とともに、ルクソールの朝が始まりました。昨日カイロからの便でもらったクラッカーを口に放り込み、眠い目をこすりながら大急ぎで準備を済ませます。

ひっそりと静まり返った暗い廊下を通り、ロビーへ降りると、そこにはすでに迎えのスタッフの姿がありました。いよいよ、気球乗り場への旅が始まります。
ナイル川を越えて「西岸(死者の街)」へ
ルクソールの街は、ナイル川を挟んで「東岸(生者の街)」と「西岸(死者の街)」に分かれています。
古代エジプトでは、太陽が昇る東を「生」、太陽が沈む西を「死や来世」と結びつけていたとされ、王家の谷やハトシェプスト葬祭殿といった葬祭関連の遺跡は西岸に集まっています。
私が泊まっているのは東岸。そして気球が上がるのは、西岸の王家の谷近く。まずは船でナイル川を渡らなければなりません。
迎えの車に乗り込み、港(船着場)へと向かいます。「私一人?途中で誰かピックアップするのかな?」そう思っていましたが、結局港まで貸切状態。しかもホテルから港までは、歩いても行けるほどの目と鼻の先の距離でした。

船の中を通り抜けて乗り込む、エジプト流の乗船
港には、ナイルクルーズに使われるような大きな船や西岸に渡るための小さな船がずらりと停泊していました。驚いたのはその乗り方です。

船と船が横に数珠つなぎのように並んでいて、奥の船に乗るには、手前の船の中を通り抜けて進んでいく必要があります。まるで水上迷路みたいです。
船 → 船 → 船 → 目的の船、という感じで進んでいきます。

私が乗る船に到着したときは、まだ他のお客さんはおらず、一番乗り。しばらくすると、団体客がぞろぞろと乗り込んできたり、私が乗った船を通り抜けて、さらに奥の船へ向かったりと、港は一気に活気づいてきます。
周りを見渡すと、ほとんどがグループ客。一人で参加しているのは、どうやら私だけのようです。
気まずいかな……と身構えていましたが、送迎も船も基本的に流れに乗っていくだけなので、一人参加でも特に困る場面はありませんでした。
船上のティータイムと、11月の冷え込み
出発まで少し時間があり、船内で配られた紙コップのコーヒーを飲みながら一息つきます。
ルクソール=暑いイメージがありましたが、11月の早朝は想像以上に冷え込みました。半袖一枚の人は、ほとんど見かけませんでした。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 11月の平均最高気温 | 約29℃前後 |
| 11月の平均最低気温 | 約13〜14℃前後 |
| 特に冷え込む夜 | 8℃台まで下がることもあるとされる |
| 私が参加した日の体感 | 上着なしでは厳しいと感じるほど寒かった |
| おすすめの服装 | 薄手のジャケットやパーカーなど羽織るものを持参 |
※気温は参照する気候データによって差があります。上記はあくまで目安として、旅行前に最新の予報をご確認ください。
👒 気球ツアーの服装は「羽織れるもの」が必須
気球を待つ屋外の時間は意外に長く、早朝のルクソールは想像以上に冷え込みます。半袖の上に薄手のジャケットやパーカーを必ず1枚。上空はさらに風が強くなるとされているので、羽織れるものがあると便利です。
→ エジプト旅行の持ち物ガイド|一人旅で後悔したリアルな必須リスト
気球ツアー当日のタイムライン(実際の記録)
「何時起きになるのか」「どのくらい待つのか」が一番気になるところだと思うので、実際の流れを時系列でまとめておきます。
| 時刻 | できごと |
|---|---|
| 2:30 | 起床。準備 |
| 3:30 | ロビーに迎えのスタッフ。車で港(船着場)へ |
| 〜4:30頃 | 船で待機。紙コップのコーヒーが配られる |
| 約25分の乗船 | 暗いナイル川を横断 |
| 4:55 | 西岸に到着。白いハイエースの大群に乗り換え |
| 5:30 | 離陸会場に到着。ここから待機 |
| 6:20 | 地平線から朝日。風がやや弱まった気配 |
| 6:30 | 中止が発表される |
※これは私が参加した2024年11月のツアーの記録です。会社や季節によって集合時刻は前後します。
動き出すナイルの夜明け
やがて船がゆっくりと出発。暗闇のナイル川の上では、他のツアー船も次々と動き出していました。途中、大きなクルーズ船に横付けして客をピックアップする場面もあり、ナイル川ならではの光景が続きます。

そうして約25分ほど揺られると、4時55分頃、ついに西岸(ウェスト・バンク)に到着しました。
船を下りると、そこには大量の白いバンが待機しています。そのほとんどが、トヨタのハイエースでした。

「エジプトの観光インフラを支えているのは、間違いなく日本の技術なんだな……」
そんなことを、遠いエジプトの地で改めて実感したのでした。
今回参加した気球ツアーの料金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予約サービス | Agoda |
| 料金 | ¥4,982(2024年11月時点) |
| プラン | 私が比較した中では最安値クラス |
| 含まれるもの | ホテル送迎・ナイル川のボート移動込み |

今回このツアーを選んだ決め手は、その圧倒的な安さでした。実は、太陽が完全に昇った後の時間帯なら、さらに格安のツアーもありました。ですが、私が探した限りでは、『空の上で朝日を迎える早朝ツアー』の中では、ここが最安値でした。
2026年時点の料金相場はどのくらい?
私が払った約5,000円は、かなり安い部類でした。2026年9月時点であらためて確認したところ、相場はこのあたりです。
| 予約方法 | 価格帯の目安 |
|---|---|
| 海外系の予約サイト(英語ベース) | 日の出便でおおむね60〜100米ドル前後 |
| 日本の旅行会社の日本語オプション | 28,000円〜という設定もあり |
| 私が予約した最安値クラス(2024年11月) | ¥4,982 |
※2026年9月時点で確認した価格帯です。日付・在庫・為替・催行会社によって大きく変動しますので、必ず予約時点の表示価格をご確認ください。
もうひとつ知っておきたいのが「飛ばない時期がある」ということ。ツアー会社によっては、高温を理由に夏季(6月〜8月)の販売を停止しているところもあります。気球そのものが夏に全面運休というわけではないようですが、希望日が催行対象かどうかは予約前に確認しておくと安心です。
💰 気球ツアーは同じような内容でもサイトによって価格差が出やすいです
→ ルクソール日の出気球ツアーを見てみる(GetYourGuide)
商品ページにキャンセル条件が表示されるので、後述する「返金の条件」を確認しやすいです。
→ ルクソールの熱気球を探す(Klook)
日本語の商品説明が読みやすく、送迎の有無などの条件を確認しやすいです。
→ ルクソールの熱気球ツアーを探す(Trip.com)
航空券やホテルと同じアカウントで管理できるので、旅程をまとめたい人向けです。
予約サイトそれぞれの向き・不向きは、こちらでタイプ別に整理しています。
▶ 海外旅行の現地ツアー予約サイトおすすめ比較|英語が苦手な初心者向けにタイプ別で解説
会場へ向かう道中でまさかの追突事故!
ハイエースに乗り込み、陸路で気球乗り場へ向かいます。会場が近づくにつれ車が増え、ノロノロ運転に。そんな中、なんと後ろの車が追突するというハプニングが発生!
運転手が降りて怒鳴り合いになり、「まさか警察沙汰?会場まで歩くの?」とひやひやしましたが、約1分後には運転手が戻り、怒りながらも運転を再開。エジプトではよくある光景なのか、謎のスピード解決でした。
5:30頃、会場に到着して車を降りました。
📍Googleマップで見る(ルクソール西岸の気球離陸エリア周辺)
📸 駐車場では帰りに備えて写真を撮っておくのがおすすめ。添乗員らしき人の顔や服装も覚えておくといいでしょう。人数確認などしている様子もなかったので、置いてけぼりにならないように、私は必死についていきました(笑)。
会場にトイレはある?軽食は出る?
ネットでは「会場にトイレがない」という情報も見かけますが、私が行った2024年11月の会場にはトイレがありました。ただ、会社や離陸ポイントによって場所が変わる可能性はあるので、心配な方はホテルで済ませてから出発するのが確実です。
一方で、会場では軽食や飲み物の提供はありませんでした。飲み物が出たのは行きの船の中で配られた紙コップのコーヒーだけです。
2時半起きで、そこから何時間も待つことになります。水や軽くつまめるものは持参しておくと安心です。ホテルによっては早朝出発の宿泊者向けに朝食ボックスを用意してくれる場合もあるようなので、前日にフロントで相談してみるのも手だと思います。
2013年の気球事故と、いま中止が判断されるまで
会場に着いてから30分ほど待っても何も始まらず、どういう状況なんだろうと周囲の話を聞いていると、どうやら風が強くて気球を飛ばすことができないので、風が弱まるのを待っているようでした。地上ではそんなに風が吹いてるという感じではなかったので、おそらく上空の風が強かったのかもしれません。

実はルクソールの気球には、忘れられない過去があります。
2013年2月26日、遊覧飛行を終えて着陸しようとしていた気球で、爆発・炎上が起きました。報道によると、着陸直前にバーナーとガスタンクをつなぐホースが外れ、漏れたガスに引火したのが原因とみられています。
炎上した気球はそのまま急上昇し、上空約300メートルで全焼して墜落。乗員・乗客21人のうち、日本人4人を含む19人が亡くなりました。熱気球事故として史上最多の犠牲者を出したとされる、痛ましい事故です。
この事故を受けて、ルクソールの気球運航はいったん全面的に停止されました。その後、当時の民間航空相が安全規則の改善と整備管理の強化に言及し、離着陸の前後に技術者が機体を点検する体制などが取られたうえで運航が再開された、と報じられています。
そして現在も、気象条件によってフライトが中止されることは珍しくありません。
- その日の気象条件をもとに、航空当局が運航の可否を判断するとされています
- 風速などが基準を超える条件下では、運航が見送られるようです
- 許可が出ない場合は、特定の会社だけでなく一斉に飛べなくなるようです

GOサインは、出るのか
時間だけがどんどん過ぎていき、会場には「今日はもう無理かも」という空気が漂い始めます。正直なところ、高度300メートル以上をふわふわ漂うことを考えると、半分は楽しみ、半分は怖い——このまま中止になってもいいかな、とも思い始めていました。

6:20頃、地平線から朝日が顔を出します。心なしか風も少し弱まった気がしました。
ちなみに会場の周辺では、迷彩服を着て銃を携帯した警備関係者らしき人も見かけました。物々しいですが、観光地では珍しくない光景のようです。

そして6:30頃、会場がざわつきます。
「ついにGOサインが出た!?」と思いきや——発表されたのは中止でした。
皆、残念そうな顔で車へと引き返します。ここからまた、船と車を乗り継いでホテルへ戻ります。
中止になったとき、返金はされるのか
💡 私の場合は、返金はありませんでした
一応、予約したアゴダにも連絡はしました。詳しくは確認してませんが、予約時の規約に「気象条件による中止は返金対象外」という旨が記載されていたかもしれません(※予約サービスや会社によって異なるようです)。
ここは正直、私の確認不足でもありました。
大事なのは、返金条件は「予約サイト」ではなく「商品ごと」に決まっているということです。同じサイトの中でも、プランによって条件が違います。
たとえばGetYourGuideの場合、キャンセル条件は各商品ページに表示されます。ルクソールの気球ツアーにも「24時間前まで無料キャンセル・全額返金」と表示されている商品があります。また商品によっては、悪天候で催行できなかった場合に別日への振替または返金を案内しているものもあります。
ただし「このサイトなら天候中止は必ず全額返金」といった一律のルールがあるわけではありません。予約する商品ページで、天候中止時の扱いがどう書かれているかを必ず確認してください。
つまり「気球は中止になる可能性も見越して、返金条件を先に読んでおく」のが正解でした。
安さだけで選ぶと、私のように「返金なし」という結末になりかねません。
気球が中止になったら、その日はどうする?
中止の発表は6時半。まだ一日はまるごと残っています。落ち込むより、切り替えたほうが得です。
私の場合は、ホテルに戻って屋上でゆっくり朝食をとり、そのまま10時から予約していた西岸の日帰りツアーへ向かいました。結果的に、その日はハトシェプスト女王葬祭殿や王家の谷をたっぷり回れる濃い一日になりました。
中止になったときの切り替え先として、現実的なのはこのあたりです。
- 翌日以降に再チャレンジ:翌朝に再挑戦する旅行者もいるようです。私と同じ車だったご年配のご夫婦も、翌日の再予約を相談していました
- いったん寝る:2時半起きなので、素直に仮眠して午後から動くのもアリです
予約前に確認しておきたい4つのこと
中止を経験した立場から、これから予約する人に伝えたいポイントをまとめます。
| 確認すること | なぜ大事か |
|---|---|
| 天候中止時の返金条件 | 商品ごとに条件が違います。私は返金されませんでした |
| 「日の出前」の便かどうか | 安いプランは日が昇った後の便のことがあります。朝日狙いなら要確認 |
| 希望日が催行対象か | 夏季の販売を停止しているツアー会社もあります |
| 旅行保険の対象範囲 | 気球のようなアクティビティが補償対象かは、加入している保険の約款で確認が必要です |
ほっとした自分がいた
帰りの車の中、少し残念な気持ちがある一方で、どこかほっとしている自分もいました。
同じ車に乗っていた欧州系のご年配のご夫婦は、「明日もう一度予約する?」と話し合っていました。実は私も、日程を調整すれば翌日の再チャレンジは十分可能でした。
それでも——私はやめることにしました。 ほんの少しだけ、恐怖が楽しみを上回ってしまったのだと思います。不安から始まった旅の終わりに、結局その不安に負けてしまいました(笑)。
けれど、夜明け前の静けさの中でナイル川を渡ったこと、ここへ辿り着くまでの時間。それだけでも、ルクソールの美しい朝を存分に味わえた気がして、胸の奥には不思議と満足感が広がっていました。

ルクソール気球ツアーのよくある質問
Q. 何時起きになりますか?
A. 私が参加したツアーはホテルに迎えに来る時間が3時半でした。ナイル川を船で渡るタイプは特に早くなります。前日は早めに就寝しておくのが無難です。
Q. 一人でも参加できますか?
A. できます。私も一人で参加しました。周りはほとんどグループ客でしたが、送迎も乗船も流れに沿って進むだけなので、一人参加で困る場面はありませんでした。
Q. 雨や風で中止になることはありますか?
A. あります。私は強風で中止になりました。2026年3月にも強風予報を受けてルクソール西岸の気球フライトが中止されたと報じられています。日程にはゆとりを持たせておくと安心です。
Q. 中止になったら返金されますか?
A. 予約した商品の条件によります。私の場合は返金されませんでした。「24時間前まで全額返金」と表示されている商品もありますが、天候中止時の扱いは商品ごとに異なるので、予約前に必ず確認してください。
Q. 中止になったら翌日に振り替えられますか?
A. こちらも予約サイト・催行会社によって異なります。別日への振替を案内している商品もあるようですが、一律のルールではないため、予約時に条件を確認しておくのが確実です。
Q. 服装はどうすればいいですか?
A. 11月の早朝は10℃台前半まで冷え込むことがあります。半袖+薄手のジャケットやパーカーなど、羽織れるものを1枚。日が昇ると一気に暑くなるので、脱ぎ着しやすい服装がベストです。
Q. 何月に行くのがいいですか?
A. 私が行った11月は日中が過ごしやすい一方、早朝はかなり冷えました。夏季は暑さを理由に販売を停止しているツアー会社もあるため、気候と「催行しているかどうか」は分けて確認するのがおすすめです。
Q. 会場にトイレはありますか?
A. 私が行った2024年11月の会場にはありました。ただし会社や離陸ポイントによって異なる可能性があるので、ホテルで済ませてから出発すると確実です。
Q. 軽食は出ますか?
A. 私の参加したツアーでは、会場での軽食・飲み物の提供はありませんでした。飲み物は行きの船内で紙コップのコーヒーが配られただけです。水や軽食は自分で持っていくと安心です。
Q. 飛行時間はどのくらいですか?
A. ツアーによって異なります。現在販売されている商品では30分程度と案内されているものもあれば、45分前後としているものもあります。私自身は中止で飛べなかったため、実際の飛行時間は確認できていません。
今回訪れた場所一覧
ルクソールの観光スポット・モデルコース・移動手段については、まとめ記事で詳しく解説しています。
▶ 【ルクソール観光まとめ】見どころ・モデルコース・行き方・必要日数を解説
気球会場のすぐ近くにある王家の谷については、チケットやおすすめの墓をこちらでまとめています。
▶ 【王家の谷観光ガイド】チケット・おすすめ墓・所要時間・行き方を詳しく解説
次の記事:【エジプト旅行⑯】ハトシェプスト女王葬祭殿とメムノンの巨像|西岸観光スタート


コメント