※この記事は連載「ランタンを追うひとり旅。」の第3話です。
前回の記事は→ホイアン到着初日、まさかの大洪水|雨季の冠水とランタン祭り前夜のリアル
ランタン祭りを楽しみにホイアンに泊まった翌朝。目を覚ますと、宿の前の道路が川になっていました。
この記事では、膝まで水に浸かりながら冠水した街を抜け出し、ダナンへ移動した1日の記録と、そこから学んだ「洪水のときにどう動くか」、そして「ダナンは洪水で大丈夫だったのか」をまとめます。
📌 先に結論:迷ったら、早めに宿に相談して、明るいうちに動く
・宿の人に「水位はこれからもっと上がる」と言われ、その日のうちにダナンへ移動することにしました
・宿の前の道は車が入れなかったので、冠水していない場所まで歩いて、宿の人が手配してくれたタクシーに乗りました
・朝9時20分ごろに宿を出て、10時20分ごろにはダナンのホテルに到着
・私が泊まったダナン市内のホテル周辺は冠水していませんでした。カフェや食堂もふつうに営業していました
| 時刻 | できごと |
|---|---|
| 6:00 | 起床。宿の前の道路が冠水していることに気づく |
| 8:00 | 朝食。宿のおばさんに「水位はもっと上がる」と言われる |
| 朝食後 | その日のうちにダナンへ移動すると決め、Agodaでダナンのホテルを予約して荷造り |
| 9:20ごろ | 宿を出発。冠水した道を5分ほど歩いて、待っていたタクシーへ |
| 10:20ごろ | ダナンのホテルに到着 |
- ホイアン2日目の朝、目覚めたら街が川になっていた
- 「水位はさらに上がる」という宣告
- 脱出決定:フル装備のおばさんと超速パッキング
- 濁流を越えて:膝まで浸かりながらの脱出
- 想定外の優しさと、ホイアンとの別れ
- 結果的に、早めに動いて助かった
- ホイアンが洪水のとき、ダナン市内はどうだった?
- ホイアン・ダナンの洪水情報(今日・現在の状況)を調べる方法
- 洪水のときにホイアンから移動するか迷ったら
- ダナン到着:1泊1,778円の宿と真っ白になった予定表
- 至福のダナングルメ巡り:コムガーとエッグクリームコーヒー
- 隠れ家カフェでの出会い:アボカドコーヒーと夜景の締めくくり
- ダナンの夜景で締めくくった、波乱の一日
- ホイアン・ダナンの洪水でよくある質問
- 場所一覧(Googleマップ)
ホイアン2日目の朝、目覚めたら街が川になっていた
昨夜から降り始めた雨は、夜通し止むことなく豪雨となって降り続けていました。激しい雨音に何度も目を覚まし、そのたびに「明日、どうなるんだろう」という不安がよぎります。ベランダに出ることもできず、ガラス越しに覗いた外の世界はただただ深い闇に包まれていました。
朝6時:ベランダから見えた衝撃の光景
ようやく空が白み始めた朝6時。雨足が弱まったのを見計らってベランダから身を乗り出すと、目に飛び込んできたのは昨日とは一変した景色でした。
「道路が……冠水している?」

上からでは状況がよく分からず、急いで1階のロビーへ。そこで目にしたのは、ホテルの前の道路が完全に「川」と化している光景でした。時折、地元の方が膝下まで水に浸かりながら、平然とした様子で歩いていく姿が見えます。

私が宿泊したホテルは、川から歩いて5分くらい離れた場所です。それがこの状態なので、川側は相当冠水していたと思います。これがホイアンでは日常茶飯事のことなのか、それとも異常事態なのか。水はすぐに引くのか、それともさらに増えるのか。現地の事情が分からない私には、判断のしようがありませんでした。
ホイアンは10〜1月ごろが雨季で、特に10〜11月は大雨や川の増水で旧市街が冠水しやすいことで知られていて、ボートで移動する光景も珍しくないそうです。頭では知っていても、実際に目の当たりにするとまったく別の話でした。
📅 【後から知った事実】記録的洪水の数日後に、再び水位が上がった日だった
後から調べてわかったのですが、ホイアンを流れるトゥボン川は、私が来る数日前の10月30日に、1964年以来の記録を更新する大洪水になっていました(カウラウ観測所で5.62m。1964年の記録を0.14m上回りました)。
そして私が脱出したこの11月3日は、水が引ききらないうちに、ホアイ川が1週間で2回目の氾濫を起こした日でした。報道では、ホアイ川の水位は朝の時点で2.42m、午後には2.6mまで上がる予想。旧市街のバクダン通りなどは1〜2mの浸水とされ、住民や観光客がボートで避難するほどだったそうです。
私が「異常事態か日常か判断できない」と感じたのは、まさにそういうタイミングだったわけです。
出典:Viet Nam News/DTiNews(2025年11月3日)(記事執筆時点=2026年10月に確認)。前日の様子と記録的洪水の詳しい経緯は、前回の記事にまとめています。
交錯する不安と迷い
部屋に戻っても、頭の中では最悪のシナリオがぐるぐると駆け巡ります。
「今夜のランタン祭りは、本当に開催されるのか?」
「明日はチェンマイへの移動日。そもそも空港へ向かう足はあるのか?」
「このままホイアンに閉じ込められてしまうのではないか?」
「水が引いた瞬間に、この街を脱出したほうがいいのか?」
期待していたランタン祭りへの希望と、移動手段を失うことへの恐怖。正解が見えないまま、時間だけが過ぎていきました。
8:00:静寂のなかでいただく朝食
昨日約束した朝食の時間になり、再び1階へ。ロビーには昨日と同じおばさんがいて、「座って待ってて、今出すからね」と声をかけてくれました。
まず運ばれてきたのは、温かいお茶と、ゆっくりと滴り落ちる濃厚なベトナムコーヒー。そして、丁寧に盛り付けられた朝食。

ホイアンの名物料理であるカオラウ(Cao Lầu)。一説では日本の伊勢うどんとの関連も指摘されていますが、起源には諸説あり、はっきりとは分かっていません。太くてコシのある麺に甘辛いタレを絡めていただくスタイルで、柔らかいチャーシュー、シャキシャキのもやし、カリカリの揚げ豚皮が乗っています。別添えのタレを好みの量で回しかけ、たっぷりの生野菜と一緒に混ぜていただきます。

さらに、サイドには山盛りの新鮮なレタスやハーブ、そして焼き立てのクロワッサンまで。
屋外の冠水した風景を横目に、濃厚なベトナムコーヒーの香りに包まれながらいただく食事。温かいお茶を飲み終える頃には、少しずつ冷静さを取り戻し、「まずは情報を集めて、今できることをしよう」と自分に言い聞かせることができました。
「水位はさらに上がる」という宣告
食後、様子を見に来てくれたあのおばさんが、心配そうに「あなた、これからどうするの?」と声をかけてくれました。
私はカタコトの英語とGoogle翻訳を駆使して尋ねました。
「この水はいつ引くんですか? あとどのくらいでなくなりますか?」
しかし、返ってきた言葉は、予想もしない絶望的な一言でした。
「水は引かないわよ。今からもっと水位は上がるんだから」
その言葉を聞いた瞬間、血の気が引くのが分かりました。
今この時点ですら、ホテルの前の道路は川と化し、タクシーはおろか車が入り込めるような状態ではありません。
「もしかして、ホイアンから出られない……?」
明日の午前中にはダナン空港に到着し、チェンマイへの飛行機に乗らなければなりません。もしこのまま水位が上がり続け、完全に孤立してしまったら、すべての予定が崩れ去ってしまいます。
さっきまで落ち着いて朝食を食べていた空気は一変し、一気に現実的な恐怖が押し寄せてきました。
脱出決定:フル装備のおばさんと超速パッキング
「ダナンに戻れるかな? 明日どうしても飛行機に乗らないといけないんです」
と尋ねる私に、おばさんは「……今日戻る?」と短く聞き返してきました。
明日になればさらに状況が悪化し、完全に身動きが取れなくなるかもしれない。「できるなら今日がいいかな。タクシーとか呼ぶことできるの?」と答えました。
おばさんは「でも、あなたは2泊で予約しているから、返金は……」と宿泊費の話を切り出そうとしてたようでしたが、「私の都合で急遽キャンセルするのだから、返金は一切不要です!」と伝えると、彼女は意を決したようにスマホを取り出し、どこかへ連絡し始めました。
おばさんは電話しながら途中、「行き先は?」と尋ねたので「ダナンだけどホテルはまだ決めてない」と答えました。
電話を終えたおばさんは、真剣な表情で私を見つめました。
「30分で準備できる?」
「短っ!」と思わず心の中で突っ込みましたが、一刻を争う水位の上昇を懸念しての提案なのでしょう。
私は弾かれたように部屋へ戻り、最初にAgodaでダナンのホテルを探します。昨日宿泊したダナンのホテル探しの時の第2、第3、第4候補がお気に入りに残っていたので、その中から安いホテルを予約しました。
お気に入りに入れたホテルを残していたのが功を奏しました。そして猛スピードで荷物をパッキングし始めました。
嵐のパッキングと「フル装備」の助っ人
準備を始めてから20分ほど経った頃、部屋のドアが激しくノックされました。
「準備できた?」とおばさんの声。
「まだ! あと少し待って!」
約束の30分すら経っていないのに、まさかの10分前倒しです(笑)。
「ちょっと待って」と言ってもまたノックしてきます。
とりあえず服を着てドアを開けると、そこには、冠水した道に立ち向かうべく長靴にカッパを身に纏った「フル装備仕様」のおばさんが立っていました。
「あとちょっとだけ!」と伝えると、おばさんは部屋の中までズカズカと入ってきて、棚の上に置いてあった小物や、充電中だったモバイルバッテリーをテキパキと取り外し、私のバックパックの横にガサッとまとめ始めました。
フル装備のおばさんに、有無を言わさぬ勢いで急かされる非日常的な光景。焦っているはずなのに、そのおばさんの行動がおかしくて笑いがこみ上げてきました。その強引な手際の良さが、まるで久しぶりに帰省した実家で親戚のおばちゃんに世話を焼かれているようで、不思議なほど心強かったのです。
「サンダル持ってる? 足は膝くらいまで濡れるから履き替えなさい」
「ここから冠水していない場所まで歩くわよ。そこにタクシーを待たせてあるから」
戦友のような頼もしさを見せるおばさんに導かれ、いよいよ浸水した街へと足を踏み出すことになりました。
濁流を越えて:膝まで浸かりながらの脱出
朝9時20分ごろ、いよいよホテルを出発。目の前に広がるのは、もはや「道」ではなく完全に「川」となった光景です。車道側ではなく歩道側は少し高くなっているため、まだ浅かったですが、車道側はおばさんの言った通り膝近くまで迫ってきました。
「絶対に転べない……」
バックパックを背負ったまま、もしここで足を取られれば、荷物もカメラも水没しかねません。地面の様子が分からない水の中を、一歩一歩、足元を確かめるように慎重に進んでいきました。

一方で、フル装備のおばさんはこの状況に慣れているのか、水の中でも驚くほど素早い足取りです。スタスタと先へ進んでは、遅れる私を振り返って待ち、また進む……という動作を繰り返しながら、私を先導してくれました。
必死に歩いている最中、ふと前を見ると、カヤック?SUP?のようなボートに乗って楽しそうに撮影をしている人たちの姿がありました。こちらは明日無事に出国できるか必死なわけですが、そのあまりにシュールで非日常的な光景に、どこか現実味のない不思議な感覚に陥ります。

重い足取りで5分くらい歩き続けるうちに、徐々に水位が下がっていくのを感じました。ふと顔を上げると、300メートルほど先にアスファルトが顔を出している「冠水の終わり」が見えてきました。そこには、ポツンと1台の車が待機しています。

「あの車だよ」とおばさんが指差しました。
想定外の優しさと、ホイアンとの別れ
車に辿り着いたとき、おばさんが信じられないことを言いました。
「タクシー代はもう支払い済みだから、運転手にお金は払わなくていいからね」
「えっ、今なんて?」と思わず耳を疑いました。不思議そうな顔をする私に、彼女は重ねて言いました。
「宿泊費の返金ができない代わりに、私たちがタクシー代を払っておいたから。ダナンのホテルの前でそのまま降りていいのよ」
頭の中が混乱しました。海外旅行では常に「ボッタクリ」を警戒し、気を張っていた私にとって、それは全く予想外の言葉でした。おばさんが「いい人」なのは分かっていましたが、ここまで誠実で温かい対応をしてくれるなんて。
言葉にできない感謝を込めて「Thank you」と伝え、タクシーに乗り込みました。スマホで予約したホテルの画面をドライバーに見せ、車がゆっくりと走り出します。
予定していたランタン祭りは見られなかったけれど、タクシーの車窓から景色を眺めながら、言葉にできない感謝と、自分でも驚くほど胸が熱くなったのを今でも鮮明に覚えています。
人の温かさに救われた、忘れられないホイアン滞在となりました。
結果的に、早めに動いて助かった
余韻に浸りながら、タクシーの車窓から外を眺めていると、道中にも大雨の影響を受けている場所がいくつもありました。もしあのままホイアンに留まっていたら、都市間の道路が通れなくなった可能性も考えられます。「早めに行動して、本当に正解だった……」と、遠ざかるホイアンの景色を見ながら胸をなでおろしました。
宿を出てから約1時間、10時20分ごろにはダナンのホテルに到着しました。
ホイアンが洪水のとき、ダナン市内はどうだった?
ホイアンがこれだけ冠水していたので、「ダナンも水没しているのでは」と心配していました。でも、私が泊まったダナン市内のホテル周辺は、雨は降っていたものの冠水はしていませんでした。このあと紹介するように、カフェや食堂もふつうに営業していて、街歩きもできました。ただし、これは2025年11月3日に私がいた場所と時間帯の様子で、ダナン市内のどこでも大丈夫だったという意味ではありません。
ひとつ知っておきたいのは、2025年7月の行政再編で、ホイアンや山間部も「ダナン市」の一部になったことです。そのため「ダナンで洪水」というニュースが、実際にはホイアンや山の方の被害を指していることもあります。
実際、2025年10月下旬から続いた大雨では、ダナン市が交通インフラの緊急事態を宣言し、ホイアンの多くの通りが深く冠水しました。11月2日の報道では、被害の大きかった地域として旧クアンナム省の山間部やホイアン周辺の地名が挙げられています。ただ、ダナン中心部でも大雨で道路が冠水したという報道はあるので、「ダナン中心部なら絶対に大丈夫」というわけではありません。
📅 2025年10月下旬〜11月初旬、ホイアン・ダナン周辺で起きていたこと
・10月27日〜:大雨が続き、ダナン市が交通インフラの緊急事態を宣言
・10月30日:トゥボン川が1964年以来の記録を0.14m上回る(カウラウ観測所5.62m)
・11月2日:私がホイアンに到着。川沿いはまだ冠水していた
・11月3日:ホアイ川が再び氾濫。私はこの日の朝、ダナンへ移動(ダナン市内のホテル周辺は冠水なし)
・11月6〜7日:台風カルマエギ(2025年台風第25号)がクアンガイ〜ザライ付近に接近・上陸
出典:VietnamPlus(2025年10月28日)/Tuoi Tre News(2025年11月2日)/DTiNews(2025年11月3日)/Tuoi Tre News(2025年11月6日)
ホイアン・ダナンの洪水情報(今日・現在の状況)を調べる方法
私はホイアンに着いてからスマホでニュースを検索して、ようやく状況を知りました。出発前や滞在中は、次のような方法で確認しておくと安心です。
洪水の状況は数時間で変わります。この記事にはリアルタイムの水位は載せられないので、「今、ホイアンは冠水している?」「ダナンまで移動できる?」を自分で確かめるための情報源を紹介します(記事執筆時点=2026年10月に確認した情報です)。
- 英語のベトナムニュースを検索する:「Hoi An flood today」「Hoi An water level」「Da Nang flood today」などで検索すると、Viet Nam News、Tuoi Tre News、VnExpress Internationalなどが、冠水している通りや水位を報じています。「Da Nang」だけだとホイアンや山間部の話も混ざるので、「Hoai River(ホアイ川)」「Thu Bon River(トゥボン川)」など地名を足すと探しやすいです
- ベトナム国立水文気象予報センター(NCHMF)の公式サイトを見る:英語のメニューがあり、雨量マップや洪水・水位の情報、警報を確認できます(NCHMF英語サイト)
- 天気予報アプリで数日先の雨量を見る:大雨が続く予報なら、翌日以降に水位が上がる可能性があります。私の場合も、夜通しの豪雨の翌朝に一気に水が来ました
- 宿に直接メッセージで聞く:予約サイトのメッセージ機能で「周辺は冠水していますか?」と聞けば、翻訳アプリでも十分やり取りできます。いちばん正確な情報は、結局現地の人が持っています
ニュースを調べたり、Agodaでホテルを取り直したり、翻訳アプリで宿の人と話したりと、この日はスマホの通信がないと何もできませんでした。
▶ 海外旅行の通信手段5つを比較|格安SIMユーザーが損しない選び方
洪水のときにホイアンから移動するか迷ったら
私の体験をもとにした目安です。最終的には現地の案内や宿の人の話を優先してください。
| 状況 | 行動の目安 |
|---|---|
| 雨が降っている | 雨量の予報や警報、道路の状況を確認しながら観光する |
| 川沿いだけ冠水している | 深い場所には近づかず、川から離れたエリアで行動する(到着初日はこの状態でした) |
| 宿の前の道まで水が来ている | 次の移動日が近いなら、早めに宿の人に相談する(この日の私) |
| 水位が上がり続けている | 移動できるうちに動けるか、宿や現地の情報で確認する |
| 避難の情報が出ている | 観光より安全を優先し、現地当局や宿の指示に従う |
移動する前に確認したい5つのこと
- 宿の周りの道路が冠水していないか
- 次の移動先までの道路が通れるか
- タクシーやGrabが宿まで来られるか(来られないなら、どこまで歩けば乗れるか)
- 飛行機やバスの時間までに余裕があるか
- 今の宿と次の宿のキャンセル条件
実際に脱出してみてわかったこと
- まず宿の人に相談する:水が引くかどうかの見通しも、タクシーの手配も、現地の人のほうがずっと詳しかったです
- 私の宿の前は車が入れなかった:冠水していない場所まで歩いて、そこでタクシーに乗る形になりました。私の場合は5分ほど、膝近くまで水に浸かって歩きました
- サンダルに履き替える:宿のおばさんに言われて履き替えました。水の中は地面がデコボコしているので、足元を確かめながら歩きます
- 次の宿の候補を残しておく:予約サイトのお気に入りに残していた候補から、すぐに次の宿を取れました
- 宿泊費は戻らないこともある:私は自分の判断で早く出たので返金は求めませんでした(代わりにタクシー代を出してもらえました)。雨季に泊まるなら、キャンセル条件を確認しておくと安心です
⚠️ 冠水した道を歩くことについて
これは、私が宿の人に先導してもらって移動したときの体験です。冠水した道路を自分の判断だけで歩くことをおすすめするものではありません。
濁った水の中は、段差や側溝、ふたの外れたマンホールなどが見えません。流れがある場所や、電柱・電線など電気設備の近くは避け、水位が上がっているときは無理に歩かないでください。避難の指示が出ている場合は、現地当局の指示に従ってください。
ダナン到着:1泊1,778円の宿と真っ白になった予定表
急遽、Agodaの直前予約で滑り込んだのは、ダナン市内の「セントラル ホテル & スパ ダナン(Central Hotel & Spa Danang)」。1泊わずか1,778円(2025年11月の料金)という安さですが、ロビーは清潔で一安心です。ダナンの宿泊費の安さには、こういう緊急時に本当に助けられます。

まだチェックインまで時間があったため、バックパックを預けて街へ。本来なら今頃はホイアンにいるはずでしたが、予定は真っ白。雨に濡れるダナンの街を歩きながら、ひとまず近くのカフェへ飛び込みました。

冷たいコーヒーを片手に、スマホでこれからの作戦会議です。天気も優れず、観光スポットへ行くには中途半端な時間。ならば今日は、ダナン自慢のグルメとカフェを心ゆくまで楽しむ一日にしようと決めました。

至福のダナングルメ巡り:コムガーとエッグクリームコーヒー
カフェを後にし、ホテルにチェックインして一息ついた後、目の前にあった人気店「コムガー・アーハーイ(Cơm gà A Hải)」へ向かいました。ダナンのコムガーといえばまずここ、と言われるほどのお店で、店内には地元の人も観光客も多く、かなり賑わっていました。

運ばれてきたのは、黄色いご飯の上に、大きな鶏肉がドーンと乗ったコムガー。皮はパリッとしていて、中はジューシー。見た目以上にボリュームもあります。スープやピクルスも付いていて、最後まで飽きずに食べられました(約350円)。
朝からいろいろありすぎましたが、美味しいコムガーを食べていたら、少し元気が戻ってきました。

食後は腹ごなしにダナンの街を散策。異国の熱気と雨の匂いが混ざり合う街角を歩き、次に見つけたカフェへ。

ここでのお目当ては、ハノイ発祥と言われるベトナムの名物「エッグクリームコーヒー」です(一般的には「エッグコーヒー(Cà phê trứng)」と呼ばれています)。
グラスに注がれた濃厚なコーヒーの上には、驚くほどふわふわでクリーミーな卵の泡がたっぷり。カスタードのような甘みとコーヒーの苦みが合わさっていて、これが意外なくらい美味しかったです。

エッグクリームコーヒーで至福のひとときを過ごした後は、夕食を求めて再びダナンの街へ。今夜のターゲットは、ベトナム風お好み焼きとも呼ばれるバインセオです。
やってきたのは、地元の人たちで活気にあふれるバインセオ・ラング(Bánh Xèo Làng)。運ばれてきた瞬間、そのボリュームと鮮やかな彩りに圧倒されました。

鉄板でカリッカリに焼き上げられた黄金色の生地の中には、ぷりぷりのエビや豚肉、シャキシャキのもやしがぎっしり。ライスペーパーにちぎったバインセオとレタス・香草を乗せて巻き、タレにつけていただきます。パリパリの生地とシャキシャキの野菜の相性が良く、どんどん食べ進めてしまいます。ただ、ひとりだとかなりのボリュームでした(笑)。

隠れ家カフェでの出会い:アボカドコーヒーと夜景の締めくくり
バインセオでお腹を満たした後は、ダナンの路地裏に佇む隠れ家的なカフェ「Trình cà phê」へと足を運びました。緑豊かなガーデン席と、古民家を改装したようなレトロで落ち着いた雰囲気が魅力的なカフェで、地元の若者たちも思い思いにリラックスした時間を過ごしていました。

ここでのお目当ては、ベトナムの進化系コーヒーとして知られるアボカドコーヒー(Sinh Tố Bơ Café)です。

「コーヒーにアボカド……?」と意外な組み合わせに驚くかもしれませんが、運ばれてきたのは、アボカドシェイクに、濃厚なベトナムコーヒーの層が美しく重なった一杯。ストローで混ぜて飲むと、アボカドのまったりとした濃厚なコクと、コーヒーの苦味、そして練乳の甘さが絶妙にマッチして、まるで贅沢なスイーツを食べているような感覚になります。トッピングのココナッツチップのカリカリ感も良いアクセントで、一度飲んだら病みつきになる美味しさでした。
ダナンの夜景で締めくくった、波乱の一日
アボカドコーヒーを堪能した後は、少し涼しくなったダナンの街をのんびりと散歩しながらホテルへと戻りました。

ホテルに着き、何気なくエレベーターに乗ると「屋上にプール」の文字が。少し気になって覗いてみることにしました。
最上階で扉が開いた瞬間、目の前に広がっていたのは、キラキラと輝くダナンの夜の街を一望できるパノラマビューでした。ライトアップされたビル群や、遠くまで続く街の灯り。プールの水面に夜景が反射し、昼間のあの濁流の中にいたことが嘘のような、静かで美しい時間が流れていました。

朝はホイアンで水の中を膝まで浸かって歩き、一時はどうなることかと本気で焦りましたが、気が付けばダナンの絶景夜景で一日を締めくくっている。

「旅は何が起こるか分からない」
そんな旅の醍醐味を、文字通り肌で感じた波乱の一日。明日は無事に空港へ辿り着き、次の目的地であるタイ・チェンマイへと飛べることを願いつつ、心地よい疲れとともに眠りにつきました。
今回急遽泊まったホテル
急遽宿泊したのはダナン市内の「セントラル ホテル & スパ ダナン(Central Hotel & Spa Danang)」。1泊わずか1,778円(2025年11月の料金)という安さでした。


▶ このホテルを見てみる(Agoda) / このホテルを見てみる(Trip.com)
私は当日、Agodaのアプリで予約しました。
▶ ダナンのホテルをまとめて探す(Agoda) / ダナンのホテルをまとめて探す(Trip.com)
雨季の旅行なら、予備の候補をお気に入りに入れておくと、私のようにいざというときすぐ取れて助かります。
ホイアン・ダナンの洪水でよくある質問
Q. ホイアンが洪水のとき、ダナンは大丈夫ですか?
私がホイアンを脱出した日、泊まったダナン市内のホテル周辺は、雨は降っていたものの冠水していませんでした。ただ、ダナン中心部でも大雨で道路が冠水することはあるので、そのときの状況をニュースや宿で確認してください。2025年7月からホイアンもダナン市の一部なので、「ダナンの洪水」というニュースがホイアンや山間部のことを指している場合もあります。
Q. 冠水しているホイアンからタクシーは呼べますか?
私の宿の前は車が入れない状態だったので、宿の人がタクシーを手配してくれて、冠水していない場所まで歩いて乗りました。自分で配車アプリを使う場合も、車が来られる場所まで移動する必要があるかもしれません。
Q. ホイアンからダナンまで、洪水の日はどのくらいかかりましたか?
朝9時20分ごろに宿を出て、冠水した道を5分ほど歩き、タクシーで10時20分ごろにダナンのホテルに着きました。ふだんの日の移動は、前回の記事に書いてますがGrabで約50分でした。
Q. 洪水で予定より早く宿を出たら、宿泊費は返金されますか?
宿や予約プランによって違うと思います。私は自分の判断で早く出たので返金は求めず、その代わりに宿がタクシー代を出してくれました。当日キャンセルは、返金されない場合がほとんどだと思います。
Q. 冠水したホイアンの道を歩いて移動しても大丈夫ですか?
私は宿の人に先導してもらい、膝近くまでの水の中を5分ほど歩きましたが、自分の判断だけで歩くのはおすすめしません。水の中の段差やマンホールは見えないので、宿の人など現地の人に相談して、安全なルートで移動してください。
Q. ホイアンで洪水が起きやすい時期はいつですか?
10〜1月ごろが雨季で、特に10〜11月は冠水が起こりやすい時期です。雨季の過ごし方や、雨の日でもランタン・灯籠流しを見られたかは、前回の記事にまとめています。
Q. ホイアン・ダナンの今日・現在の洪水状況はどこで確認できますか?
英語のベトナムニュース(Viet Nam News、Tuoi Tre Newsなど)、ベトナム国立水文気象予報センター(NCHMF)の英語サイト、そして宿へのメッセージが確実です。詳しくは記事内の「洪水情報を調べる方法」をご覧ください。
場所一覧(Googleマップ)
- 📍 ホイアン フォー ライブラリー ホテル:脱出したホイアンの宿
- 📍 セントラル ホテル & スパ ダナン:ダナンで急遽泊まったホテル
- 📍 コムガー・アーハーイ(Cơm gà A Hải):ダナン
- 📍 バインセオ・ラング(Bánh Xèo Làng):ダナン
明日はいよいよダナン最終日。早朝の絶品バインミー店と空港ラウンジを満喫したあと、タイ・チェンマイへと向かいます!
▶ 次の記事:ダナン最終日|絶品バインミーと空港ラウンジを満喫してチェンマイへ移動
▶ 前の記事:ホイアン到着初日、まさかの大洪水|雨季の冠水とランタン祭り前夜のリアル
ひとりで手配し直すのが不安なら
今回はたまたま宿の人に助けてもらえましたが、宿の取り直しも移動の手配も、個人手配だと全部自分でやることになります。現地ツアーなら移動がセットになっているので、そのぶん手間は減らせます。以前の私は現地ツアーを「ハードルが高そう」と思っていましたが、今は、金額が少し上がっても手間と時間を節約できるなら、もっと積極的に使った方が旅の満足度は上がると思っています。
▶ ダナンの観光ツアーを探してみる(GetYourGuide)
私ならまずここから見ます。ツアーの種類が豊富で、価格を比べやすいのが理由です。雨季はキャンセル条件も確認しておくと安心です。
▶ ダナンの現地ツアーを探してみる(Trip.com)
航空券やホテルと同じアプリでまとめて管理したい人に。
航空券とホテルの手配ごと旅行会社に任せたいなら、パッケージツアーという選択肢もあります。
▶ JTB旅物語のベトナムツアーを見てみる /
日本旅行のベトナムツアーを見てみる


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