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【エジプト旅行㉟】クフ王ピラミッド内部はきつい?実際に入ってわかったリアルと注意点まとめ
ピラミッド観光の全体像や入場チケットの買い方については、ギザのピラミッド観光完全ガイドにまとめています。事前にあわせてご確認ください。
カフラー王のピラミッドへ
クフ王のピラミッドを後にし、次は隣にそびえるカフラー王のピラミッドへと足を向けます。2つのピラミッドの間を抜ける道には、ラクダや馬車が行き交う、観光地らしい賑やかな光景が広がっていました。

少し高い場所へ出ると、眼下にギザの街並みが広がります。砂漠の中に突然現れる大都市のような景色は、「ピラミッドのすぐそばに人々の生活がある」というギザならではの不思議な感覚を改めて実感させてくれました。観光バスが次々と到着し、エリア全体がすっかり賑わっていました。

歩いていると、神殿跡のような石造りの遺構のあたりで、華やかな衣装を身にまとった女性の方々が思い思いのポーズで写真を撮っている場面に出くわしました。まるでファッション撮影のような光景で、時代が重なり合ったような不思議な雰囲気でした。

また、クフ王のピラミッドのふもとを歩いていると、外壁の一部に石灰岩の表面が残っているのが見えました。かつてはピラミッド全体がこの白い石灰岩で覆われ、太陽の光を受けて輝いていたとされています。わずかに残るその痕跡に、当時の姿を想像せずにはいられませんでした。

カフラー王のピラミッド外観
カフラー王のピラミッドは、クフ王とはまた違った魅力があり、外観だけでも十分に見応えがあります。この日は内部への入場ができなかったため、外周をぐるりと歩いて見学しました。

正面から見上げると、頂上付近に石灰岩の外壁が残っており、かつての輝きをわずかに留めています。
ただ、見上げていると「上から石が落ちてきたりしないのだろうか……」と少し不安にもなりました。周囲には大きな石が無数に転がっており、実際に崩れたものかは分かりませんが、「もしかして落石なのでは?」と思うと、なんとなく足早になってしまいました。


外周を歩いていると、ライトアップ用と思われる大型の照明機器がいくつも置かれていました。夜のサウンド&ライトショーで使われるものでしょうか。砂埃が多いギザの環境で、精密機器がよく壊れないものだと思わぬところで感心してしまいました。ラクダを連れた人が横を通り過ぎる姿と大型ライトが並ぶ光景は、なんとも不思議な組み合わせでした。

メンカウラー王のピラミッドへ
カフラー王のピラミッドを一周し終えたところで、三大ピラミッド巡りの締めくくりとして、最も南に位置するメンカウラー王のピラミッドへと向かいます。規模は小さいものの、その存在感は決して負けていません。三大ピラミッドをこうして自分の足で巡る贅沢を噛み締めながら、歩みを進めます。

正面に刻まれた「破壊の痕跡」
3つのピラミッドの中で最も小ぶりなメンカウラー王のピラミッドですが、正面(北側)をよく見ると、中央に大きく縦に削り取られたような深い溝があることに気づきます。実はこれ、12世紀、アイユーブ朝のスルタンであるアル=アジーズ・ウスマーンが「ピラミッドを解体してしまおう」と試みた跡なのです。
彼はこの巨大な建造物を壊して石材を再利用しようと考え、大勢の石工たちを送り込みました。しかしピラミッドの石はあまりにも巨大で、あまりにも強固でした。楔を打ち込み、ロープで引っぱり……という気の遠くなるような作業を長期間続けたとされていますが、結局、正面にこの深い傷跡を刻むだけで全体を壊すことは不可能だと悟り、解体は断念されました。
その後、1837年になると、今度はイギリスの軍人・探検家ハワード・ヴァイスが内部への入り口を探すために火薬(爆薬)を使ってこのあたりを爆破しました。今の私たちが聞くと「なんてことを!」と絶句してしまいますが、当時は「考古学」という概念よりも「お宝探し」や「探検」の側面が強く、目的のためには手段を選ばない時代だったのです。ピラミッドの外観にはさらに深い傷が残ることとなりましたが、この調査によって玄室が発見されました。

💡 皮肉なことに、この巨大な「破壊の跡」は、人類がどれほど力を尽くしても、また爆薬を使ってもなお、ピラミッドを完全に消し去ることはできなかったという「ピラミッドの不滅性」を物語るシンボルとなっています。
急遽、内部へ!メンカウラーのピラミッド内部体験
元々メンカウラーのピラミッド内部に入る予定はありませんでした。しかし入口の前でQRコードを読み取るとその場でチケットを購入できるとのことだったので、急きょ内部へ入ることにしました。なお、ピラミッドエリアのチケット購入方法や事前準備については【エジプト旅行㉟】クフ王ピラミッド内部はきつい?実際に入ってわかったリアルと注意点まとめで詳しく解説しています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入場料 | 280EGP(後日カード明細で確認・約910円/2024年11月時点) |
| 2026年3月現在 | 280EGP(公式サイト確認) |
| カード明細表記 | E FINANCE 利用国EG |
| 支払い方法 | クレジットカードのみ(現金不可) |
⚠️ 入場料は値上がり頻度が高いため、訪問前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
地下へと続く「下降通路」
メンカウラーのピラミッド内部は、クフ王のピラミッドのように上部へと向かうのではなく、ほぼ全体が「地下深く」へと掘り進められた構造になっています。クフ王とは構造が大きく異なり、地下中心の造りになっているのが特徴です。
入口を抜けると、すぐに急勾配の「下降通路」が始まります。クフ王の通路に比べると天井はいくらか高く感じられますが、それでも中腰にならなければ進めない場所もあり、足元には滑り止めの木の横木が並べられています。暗く、暑く、視界も限られ、石の壁に反響する足音とひんやりとした空気だけが伝わってきます。クフ王の「大回廊」のような開放的な空間はなく、ひたすら地下へと潜っていくその体験は、まるで古代の盗掘者になったかのような、不思議な緊張感に包まれました。

地下に現れた「精巧な石の部屋」
下降通路を抜け、地下へ降りた先には、「前室」や、さらに奥の「玄室」へと続く複雑な地下空間が広がっています。驚いたのは、その空間の精巧さです。下降通路こそゴツゴツとした岩肌のままでしたが、地下の部屋に入ると、壁面は巨大な石灰岩(一部は花崗岩)のブロックで、隙間なく、驚くほど滑らかに仕上げられています。その壁をよく見ると、縦のラインが刻まれてました。

「玄室」の圧倒的な静寂
さらにその奥にある「玄室」は、このピラミッドの中で最も重要で、最も精巧な場所です。玄室に入ると、壁面と天井はすべて赤茶色の巨大な花崗岩のブロックで覆われています。その石の表面は驚くほど滑らかで、まるで一枚の巨大な石をくり抜いたかのように錯覚するほど、完璧な仕上がりでした。
天井は巨大な花崗岩をアーチ状に削り出した精巧な造りになっており、玄室の圧倒的な静寂の中に身を浸していると、何千年も変わらぬままここにある「石の力」に圧倒される思いでした。

💡 失われた石棺の話
この玄室には、かつてメンカウラー王の石棺が安置されていました。1837年にハワード・ヴァイスによって発見されたものの、イギリスへの輸送中に嵐で船が沈没し、石棺は今も海の底に眠っているとされています。
こうして、クフ王・カフラー王・メンカウラー王——三大ピラミッドをすべて自分の足で巡り終えました。内部に入ったのはクフ王とメンカウラー王の2つ。体力は使いましたが、それ以上に得られたものは大きかったです。
外から眺めるだけでは絶対に味わえない、石や空気の質感、そして「ここに人が眠っていた」という歴史のリアル。数千年前に建てられたこの場所に今自分が立っているという事実は、しばらく経った今でも、じわじわと心に残り続けています。
教科書や画面越しにずっと眺めてきた、あこがれのギザの三大ピラミッド。「人生で一度は、生のピラミッドをこの目で見る」――そんな大きな夢を叶えた一日は、想像を絶するスケールと歴史の重みに圧倒されっぱなしでした。
自分の足でその地に立ち、内部にまで踏み込んで感じた確かな手応えは、何物にも代えがたい一生の財産です。
もし、かつての私のように訪れるのを迷っている方がいるなら、ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください。すべてを回り終えたとき、「来てよかった」と思えるはずです。
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