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ホイアン到着初日、まさかの大洪水。ランタン祭り前夜に起きた想定外の1日

ホイアン アジア周遊旅行
ホイアン

※この記事は「ランタンを追うひとり旅。」シリーズの続きです。

ダナンの朝は「ブンチャーカー109」からスタート

少し早起きをして、Grabで朝の街へ。向かったのは、事前にチェックしていた「Bún chả cá 109(ブンチャーカー109)」です。

Bún chả cá 109(ブンチャーカー109)
Bún chả cá 109(ブンチャーカー109)

朝7時半頃に到着しましたが、すでに店内には地元の熱気が漂っています。数名のお客さんが美味しそうに麺をすすっているのを見て、「ここは間違いない」と確信。

ミシュラン掲載の実力派!魚の旨味が凝縮された一杯

メニューを広げると、さすが人気店。2024年・2025年と連続でミシュランのビブグルマンに掲載されているロゴが誇らしげに輝いています。

Bún chả cá 109(ブンチャーカー109)メニュー
Bún chả cá 109(ブンチャーカー109)メニュー

今回は、看板メニューのブンチャーカー(45,000 VND/訪問時点)を注文しました。

運ばれてきた一杯は、黄金色のスープが食欲をそそります。まずはスープを一口。魚の出汁がしっかり効いていながら、後味は驚くほどあっさり。揚げたてのさつま揚げ(チャーカー)は弾力があり、噛むほどに旨味が溢れ出します。

ブンチャーカー
ブンチャーカー

テーブルに置かれた真っ赤な唐辛子やライム、そしてたっぷりの生野菜を加えて自分好みにカスタマイズすることもできます。朝から贅沢な活力をチャージできました。

調味料
辛い系が多い気がします

腹ごなしに朝のハン マーケットを散策

食後は、ダナンの街並みを肌で感じるために歩いてホテルへ戻ることに。

道中、ダナンの台所とも言える「ハン マーケット(Chợ Hàn)」に立ち寄りました。朝の市場は活気に満ちていて、色鮮やかなドライフルーツや、香ばしい茶葉、山積みになったマンゴーグミなど、見ているだけで楽しくなります。

ハン マーケット(Chợ Hàn)
ハン マーケット(Chợ Hàn)

お土産を探しながら、活気ある市場の雰囲気を楽しみつつ散策。一旦ホテルに戻り、パッキングを済ませてチェックアウトの準備を整えます。

Grabでダナンからホイアンへ。アットホームな宿に到着

ダナンをチェックアウトした後は、Grabを呼んでホイアンへと向かいました。今回お世話になるのは、「ホイアン フォー ライブラリー ホテル (Hoi An Pho Library Hotel)」。2泊朝食付きで7,052円という、ひとり旅には嬉しい価格帯のホテルです。

12時頃に到着すると、スタッフの皆さんが総出で大掃除の真っ最中。「チェックイン前だけど荷物を預かってもらえるかな?」と声をかけると、満面の笑みで迎えてくれました。

家族経営のような温かみを感じる宿でした。スタッフのおばさんが、ある柱を指差しながら「Water here!」みたいなことを言って私に何か話かけてきましたが、その時は言葉の真意がわからず、とりあえず笑顔で返していたのですが、その理由はすぐに判明することになります。

まさかの「宿泊者は私だけ」?驚きのアップグレード

その後、おばさんに呼ばれて出てきた息子さんらしき若い男性が、部屋へと案内してくれました。「あなたの部屋は2階です。今回はアップグレードしましたよ!」とのこと。

実は窓なしの格安ルームを予約していたのですが、案内されたのはなんと2階の広々としたベランダ付きの部屋!天蓋付きのベッドがある、とても素敵な空間です。

天蓋付きのベッド
ぼっちには贅沢な部屋です

なぜアップグレードになったんだろう思ってたら、「昨日の大雨で1階が浸水してしまって、1階の部屋が使えないんだ」とのこと。先ほどのおばさんの言葉は「ここまで水が来たのよ!」という説明だったようです。

さらに驚いたことに、「雨のせいで、今日の宿泊客はあなた一人だけだよ」と言われました。図らずもホテルを独り占めする贅沢な滞在がスタート。

「明日の朝食は何がいい?何時に食べる?」と、ベトナム料理のメニューをたくさん提案してくれましたが、あまり詳しくなかったので、おすすめを教えてもらいながら相談して決めました。

名物料理を求めて街へ

お部屋のベランダからはホイアンらしい街並みが眺められ、雨上がりのしっとりとした空気が心地よく流れています。荷物を置いて一息ついたところで、さっそくお腹を満たしに街へ繰り出すことにしました。

ホテルベランダ
ホテルのベランダ

迷う必要なし!メニューは潔く「2種類」のみ

向かったのは、ホイアン名物の「ホワイトローズ」で有名なお店、その名も「White Rose Restaurant」

White Rose Restaurant ホワイトローズ
White Rose Restaurant ホワイトローズ

驚いたのが、そのメニューの潔さ。なんと、料理のメニューは「ホワイトローズ(Bánh Bao Bánh Vạc)」と「揚げワンタン(Hoành Thánh Chiên)」の2種類しかありません。まさに、この2品だけで勝負している名店です。

White Rose Restaurant ホワイトローズ メニュー
70.000とか100.000って記載されてますが、70,000と100,000のことです。点がカンマ?

メニュー表を見ると、基本的には複数人でシェアするようなボリューム感でしたが、店員が「ハーフサイズもできるよ」とのこと。ひとり旅でも両方の味を楽しみたかったので、迷わず両方をハーフで注文しました。

ホイアンが世界に誇る「究極の2品」

ホワイトローズ(ハーフ)
透き通った生地にエビなどの具材が詰まったホワイトローズは、その名の通り白いバラの花びらのよう。独特のぷるぷる感と、上にのったカリカリのフライドシャロット(揚げエシャロット)のアクセントが絶妙です。

ホワイトローズ(ハーフ)
1人分にちょうどいいサイズです

揚げワンタン(ハーフ)
サクサクに揚げられた大きなワンタンの上に、エビや野菜が入った甘酸っぱい餡がたっぷり。ハーフサイズとはいえ食べ応えがあり、食感のコントラストがたまりません。

揚げワンタン(ハーフ)
個人的にはホワイトローズよりこっちの方がおいしかった

黄色い壁にランタンが飾られたホイアンらしい店内で、名物料理を独り占めする贅沢。どちらもこの街でしか味わえない、記憶に残る逸品でした。

ホワイトローズ店内
ホワイトローズ店内

食後は小雨の中、傘をさして旧市街の方へ歩いて行きました。

目の前に広がるのは「川」になった道路

旧市街の中心部に近づくにつれ、道ゆく人々の様子が少しずつ変わっていきます。

ホイアン旧市街
ホイアン旧市街

そしてトゥボン川沿いに到着して驚きました。川が完全に氾濫していたのです。

氾濫したトゥボン川
氾濫したトゥボン川

本来なら観光客で賑わうはずであったろう川沿いは、完全に茶色い水に飲み込まれていました。

冠水しても止まらない、たくましきホイアンの日常

驚いたのは、この状況下でも街が「動いている」こと。

対岸へ渡る橋
冠水した道を進むバイク

観光客の反応:私を含め、予想外の事態に驚く観光客たち。それでも、この非日常的な光景を写真に収めたり、冠水ギリギリの場所で食事を楽しんだりと、ハプニングすらも旅の一部として楽しんでいる不思議な一体感がありました。

冠水ギリギリのカフェ
冠水ギリギリのカフェ

ホテルの1階が使えなかった理由を、この目でハッキリと理解した瞬間でした。美しいランタンの街としての顔だけでなく、自然と共に生きるこの街のリアルな姿に触れた気がします。

衝撃の事実。約60年ぶりの記録的大洪水

目の前の光景を信じられず、ここでようやくスマートフォンを取り出して現地の状況を詳しく検索してみました。

すると、画面には「ホイアンで約60年ぶりの歴史的記録を更新する大洪水」という衝撃的なニュースが次々と飛び込んできました。

実はこの時、ホイアンを流れるトゥボン川の水位は、1964年の歴史的記録を上回る5.62メートルにまで達していたのです。現地ニュースによると、ベトナム中部全体を襲った記録的な豪雨により、わずか24時間で最大1,700mmに達した場所もあったといいます。

ここでようやく、すべての点と線が繋がりました。ホテルに宿泊客が自分一人しかいなかった理由。ホテルスタッフが大掃除をしていた理由。そして、おばさんが必死に柱を指差して伝えてくれようとした「ここまで水が来たのよ!」という言葉の重み……。

私はまさに、約60年ぶりに街が飲み込まれた洪水災害のまっただ中に足を踏み入れていたのです。

安心が生んだ死角

ここ数日は、ダナンからホイアンまでの移動や宿の予約が完璧に決まっていたことに安心しきっていました。そのため、頭の中は次に訪れる「チェンマイ」のことばかり。現地の天気予報やニュースをチェックする余裕を、完全になくしていました。

まさか、多くのホテルが予約をキャンセルせざるを得ないような事態になっているとは夢にも思わなかったのです。

期待と不安。ランタン祭りのゆくえ

一番の気がかりは、明日に控えた「ランタン祭り」のことです。

ホイアンのランタン祭りは、旧暦14日=満月の夜に毎月開催される伝統行事。この日だけ旧市街の電灯が落とされ、ランタンの灯りが街の主役になります。川沿いでは灯篭流しも行われ、昼間とはまったく異なる幻想的な夜になります。

今は川と道の境界すらありません。「明日までにこの水は引くのか?」「そもそも開催されるのか?」ニュース記事には「数日は雨が続く」との予報もあり、期待と不安が入り混じります。冠水した旧市街の静かすぎる通りを見つめながら、私はこの後どう動くべきか、刻々と変わる街の表情を追い続けることにしました。

闇に包まれた旧市街と、消えた対岸の明かり

一度ホテルに戻り、洪水情報を整理してから、17時40分頃に再び旧市街へと向かいました。

本来の計画では、今日という日は「ランタン祭り前夜」の賑わいを楽しみ、明日の「祭り当日」には旧市街の電灯が落とされ、ランタンの灯りだけが街を照らす幻想的な光景を比較して楽しむ……そのためにホイアンに2泊する予定でした。

しかし、夜の帳が下りた旧市街の川沿いは、まだ冠水した状態でした。

ホイアンの夜
奥にランタンをつけたボートが見えます

孤立した対岸と安堵

川の水は依然として引いておらず、ナイトマーケットが開催されるはずの対岸へと続くアンホイ橋(ナイトマーケット側へ渡る橋)は渡れない状態。対岸を遠目に眺めても、ほとんど明かりが灯っていません。もしかすると、こちら側よりもさらに深刻な浸水被害に見舞われていたのかもしれません。

実はホイアンのホテルを予約する際、対岸側のエリアも候補に入れていたのですが、結果的に今の宿を選んで本当に助かりました。もし対岸に泊まっていたら、チェックインすら危うかったかもしれません。

世界一(暫定)のバインミーとの出会い

せっかく夜の街に出たので、ホイアン名物のもう一つの主役「バインミー(Bánh Mì)」を求めて歩くことにしました。川から少し離れたエリアは営業してるお店が多かったです。

バインミーとは?
フランス植民地時代の名残である外側パリパリ、中ふんわりのフランスパンに、レバーペーストやハム、なます(野菜の酢漬け)、パクチーなどを挟んだベトナム流サンドイッチ。ここホイアンのバインミーは、特にパンのクオリティが高いことで知られています。

訪れたのは、ホイアン屈指のバインミー名店「バインミー・フーン(Bánh Mì Phượng)」。アメリカの著名シェフで、食のドキュメンタリー番組「Parts Unknown(邦題:アンソニー世界を喰らう)」でも知られた故アンソニー・ボーディン氏が、かつてここを訪れ「これは世界一のバインミーだ」と絶賛したことで、世界中にその名が広まった一軒です。テイクアウトで注文し、雨のホイアンを歩きながら頬張りました。

バインミー・フーン(Bánh Mì Phượng)
持ち帰りだけじゃなく店内でも食べれるかも

一口食べて衝撃。「これ、私史上、世界一のバインミーだ……!」

世界一のバインミー
世界一のバインミー

と言っても、まだ人生でそれほどバインミーを食べた経験があるわけではないのですが(笑)

香ばしいパンの香りと、具材の旨味が口の中で完璧なハーモニーを奏でます。この味に出会えただけでホイアンに来た価値があったと思えました。

雨の音と、静かなホイアンの夜

その後もしばらく夜の街を散策しましたが、追い打ちをかけるように雨が強く降り出してきました。これ以上外にいるのは難しいと判断し、途中の商店で食料とビールを買い込み、ホテルへ戻ることに。

ホイアンの写真スポット
ホイアンの写真スポット?

静まり返ったホテルの一室で、雨音を聞きながらビールを飲み干します。こうして、予想だにしない出来事ばかりだったホイアンの1日目が過ぎていきました。

いよいよ明日は、旅のハイライトであるランタン祭りの当日。果たして、この大量の水は引き、街中が幻想的な光に包まれる景色を見ることはできるのでしょうか?

宿泊したホテル
宿泊したホテル

不安と期待が入り混じる中、明日の奇跡を願って眠りにつきました。

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