エジプト最後の夜、現代的な「カイロ・フェスティバル・シティ・モール(Cairo Festival City Mall)」へ
サッカラやダハシュールからホテルに戻り、少し一息。明日はもうエジプトを去る日です。「最後の夜をホテルで過ごすのはもったいない!」と思い、夜のお出かけ先に選んだのは、ニューカイロ地区にあるカイロ・フェスティバル・シティ・モールでした。

ここはニューカイロ最大級のショッピングモールで、到着するとそこには、砂まみれの古代遺跡とは180度違う、洗練された現代的な世界が広がっていました。巨大なIKEAをはじめ、世界的な有名ブランドの看板がずらりと並び、夜でも非常に明るく活気があります。
モール内は非常に広大で、大きな映画館まで入っており、カイロの若者や家族連れで賑わっていました。エジプトというと遺跡のイメージが強いですが、こうした大型モールは近年の都市開発を象徴する存在です。特にニューカイロは富裕層向けの新興エリアとして急速に発展しており、その勢いを肌で感じられる場所でした。

いろんなお店があり、買い物には困らなさそうです。……が、実際に歩き回ってみると、並んでいるのは他の国でも見かけるお馴染みのブランドばかり。あまり「エジプトならでは」という珍しさは感じられず、結局何も買わずにモールを後にすることにしました。

深夜のカイロ、一人で歩いても安全?
モールを後にし、Uberを利用して宿泊先のダウンタウンまで戻りました。モールの整然とした雰囲気とは打って変わり、ホテル周辺は深夜にもかかわらず、ものすごい熱気と人波にあふれています。

カイロのダウンタウンを深夜に歩く際、一番気になるのは治安ではないでしょうか。結論から言うと、大通りに関しては「驚くほど安全」というのが私の実感です。

21時を過ぎても子供連れの家族がアイスクリームを食べていたり、若者グループがカフェで談笑していたりします。エジプトはイスラム教圏ということもあり、酔っ払いが道で暴れているような光景はまず見かけません。カイロは「夜型のリズム」で動いている街で、人の目(自然な監視)が絶えずあることが、逆に安心感に繋がっているようでした。
ただし、注意点もいくつかあります。
一つは「暗い路地」。大通りは明るいですが、一歩裏に入ると街灯が極端に少なくなります。店探しで歩く際も、できるだけ人通りの多い明るいルートを選ぶようにしていました。
もう一つは「交通量」。治安よりも危険なのは「車」です。深夜でもスピードを出して走っている車もあるので、横断には細心の注意が必要です。
最後の夕食を求めて
「エジプト最後の晩餐」を求めて歩き出しましたが、どこの飲食店も地元の人々で超満員! 深夜でもレストランやカフェが満席なのは、この街の「本来の顔」なのでしょう。
15分ほど、活気ある街並みを眺めながら歩き回り、ようやく人通りが落ち着いた通りで、それほど混雑していない飲食店を見つけました。

注文して運ばれてきたのは、ワンプレートに盛られたボリューム満点の料理。メインは香ばしく焼かれた「コフタ」です。ひき肉をスパイスで練り、炭火で焼き上げたエジプトの定番肉料理で、お皿の下の方にゴロッと盛り付けられています。

その横には、ほんのりスパイスが効いたエジプト風のご飯と、彩り豊かな生野菜のサラダが添えられていました。コフタの肉肉しさと、さっぱりしたサラダ、そして独特の風味のご飯を一緒に頬張る。シンプルながらも力強い味わいが、旅の疲れた体にじんわり染み渡ります。モールの現代的な快適さも良かったですが、最後にこの街の喧騒の中で食べるこの一皿こそ、エジプトの旅を締めくくるにふさわしい「カイロの夜」だと感じました。
エジプトでお酒を手に入れるという「ミッション」
食事を終えた後は、最後の大仕事。イスラム教国であるエジプトでは、どこでもお酒が買えるわけではありません。お酒を手に入れるには、ライセンスを持った「酒屋」を探す必要があります。
私が利用した店は、宗教的配慮もあり、外からは中が見えないようになっていて少し独特の緊張感がありましたが、入ってみれば冷えたビールが整然と並んでいます。

最後に選んだのは「SAKARA(サッカラ)」ビール。
SAKARAビールは、Al Ahram Beverages Company製のエジプト産ビール。その名前は、今日訪れたばかりのサッカラ遺跡に由来しています。
ボトルのラベルを指でなぞりながら、今日見てきたばかりの「階段ピラミッド」のシルエットを眺める。現存する最古級の大規模石造建築のひとつとされる階段ピラミッドを思い出しながら、その名を冠した現代のビールを飲む……。この時空を超えたようなリンクこそが、歴史の国エジプトを旅する醍醐味かもしれません。軽い飲み口で、暑いエジプトの気候にぴったりの味でした。
部屋でゆっくりとビールを口に運びながら、今回の旅を振り返ります。最初は不安だらけでしたが、遺跡のスケールに圧倒され、人の温かさに触れ、トラブルさえもが充実した経験になりました。

正直、少し寂しい気持ちはありましたが、それ以上に「来てよかった」と心から思える旅でした。グラスの中のビールがゆっくりと減っていくのを眺めながら、エジプトで過ごした時間の余韻に、静かに浸っていました。
旅の終わり、そして長い帰路へ
翌朝。宿泊していたホテルの部屋は窓がなかったため、外の喧騒に邪魔されることもなく、静かな朝を迎えました。
ホテルで最後の朝食を済ませ、荷物をまとめます。パッキングを終えると、いよいよ出発です。チェックアウトを済ませ、Uberを呼んでカイロ空港へと向かいました。

カイロ空港ターミナル2に到着。出発までの時間は、プライオリティパスを利用して「Ahlein Premium Lounge(アーレン・プレミアムラウンジ)」で過ごすことにしました。

グレーのソファと大理石調のテーブルが並ぶ、すっきりとしたモダンな空間で、ビュッフェをつまみながら、これから始まる長い移動に備えて一息つきました。



今回の帰路は、まずアブダビへ向かい、そこで1泊。さらにバンコクへ移動しました。バンコクには3泊したものの、到着が深夜遅く、出発が早朝だったため、実質1泊したような慌ただしい滞在を経て日本へと帰る長旅です。
ラウンジの静かな空間で、エジプトでの数日間の出来事をゆっくりと振り返りました。一筋縄ではいかないことも多かったけれど、それ以上にこの国が持つエネルギーと歴史の重みに魅了された日々。

さらばエジプト。またいつか、あの賑やかなクラクションが恋しくなったら戻ってきたいと思います。次に来るときも、きっとまた何かトラブルに巻き込まれるのでしょう。でも、それすら楽しみだと思えるくらい、この国が好きになっていました。


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