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【エジプト旅行㊺】屈折ピラミッド内部体験・謎の果物プレゼント・メンフィス野外博物館レポート

屈折ピラミッド エジプト旅行
屈折ピラミッド

前回の記事は↓
【エジプト旅行㊹】ターメイヤの朝食・タクシー交渉・ダハシュール赤いピラミッド内部体験記

屈折ピラミッド内部はきつい?赤いピラミッドより過酷だった体験記

赤いピラミッドの内部見学を終え、次に向かったのは、そこからほど近い場所に建つ「屈折ピラミッド」です。ダハシュールのピラミッド群の中でも特に異様な外観で知られ、実際に中に入れる数少ないピラミッドのひとつでもあります。

正直に言うと、赤いピラミッドで「もう十分しんどい」と思っていた私は、このあと想像以上に体力を削られることになります。

遠くから見ると、途中でカクッと角度が変わっているのがよくわかります。当初は約54度という急角度で建設が進められていましたが、途中で構造的な不安定さが判明し、約43度まで角度を緩めたと考えられています。同時期に同じ工法で造られていたメイドゥム・ピラミッド(崩壊した可能性があるピラミッド)の事例も、設計変更の一因とされています。当時の試行錯誤がそのまま形になったような、世界でも珍しい外見のピラミッドです。

屈折ピラミッド
あまり観光客はいません

車を降りて近づいてみると、その表面の美しさには驚かされました。多くのピラミッドは表面の滑らかな化粧石が剥がれ落ちてしまっていますが、この屈折ピラミッドは当時の石灰岩の外装がかなり広範囲に、しかも綺麗に残っているのです。現存するピラミッドの中でも、ここまで外装が残っているのは非常に珍しいとされています。巨大な石のブロックがピタッとはめ込まれている様子を間近で見ると、4000年以上前の職人たちの仕事の丁寧さが伝わってきます。

振り返れば、先ほどまでいた赤いピラミッドが砂漠の向こうにぽつんと見え、吸い込まれるような青空と大地が広がる絶景を独り占めできました。

遠くに赤いピラミッド
砂漠と青空とピラミッド

「せっかくここまで来たんだし、内部も入っておこう」——そんな気持ちで足を踏み入れましたが、先ほどの赤いピラミッドの疲れが残っているのもあり、正直に言うと、赤いピラミッドよりもさらに体力を削られる、かなり過酷な体験でした。

① 奈落へ続くような急階段

入り口から続くのは、吸い込まれそうなほど真っ直ぐで急な階段。中腰で進まなければならず、前向きに下り続けると膝に体重が乗り続けるため、腰や膝にかなりの負担がかかります。

屈折ピラミッド内部
途中から後ろ向きに下っていく作戦に切り替えました

ふと途中で気づいたのですが、これ、「後ろ向き」で降りた方が断然楽です。はしごを下りるような感覚に近く、膝への負担がぐっと減ります。これから行く予定の方は、ぜひ「後ろ向き」を試してみてください。

② 狭いトンネル工事現場のような通路

下りきった先にあるのは、ゴツゴツとした岩肌が剥き出しになった狭い通路。薄暗い中、かがみながら進む様子は、まるで未開の洞窟を調査しているような、なんとも言えない不思議な感覚になります。

屈折ピラミッド内部
なんでこんなに人がいないのかが不思議

③ たどり着いた先は……

ようやく辿り着いた内部の空間。見上げると、石を少しずつ内側へずらしながら積み上げて高い天井を作る「持ち送り構造(コルベル天井)」という技術が使われていました。初期ピラミッドに見られる構造で、後のクフ王のピラミッドとは異なる設計とされています。分かりやすく言うと、「石をジェンガのようにギリギリのラインで内側に重ねていき、巨大な空洞を作っている」ようなイメージです。当時の木製の梁がそのまま残っている場所もあり、構造としては確かに珍しい空間でした。

屈折ピラミッド内部
屈折ピラミッド内部

ただ、あの中腰の急階段を必死に下り、狭い通路を抜けてきた苦労に見合うかと言われると……正直、

「え、苦労した割にこれだけ?」

屈折ピラミッド内部
(´・ω`・)エッ?

というのが、その時の率直な感想でした(笑)。感動というよりは、「よし、ノルマ達成。早く外に出よう」という気持ちの方が勝ってしまったのが本音です。

屈折ピラミッド まとめ

  • 外観:化粧石が美しく残っており、これは必見。外装(化粧石)がここまで広範囲に残る例は非常に珍しく、外から眺めるだけでも十分価値があります
  • 内部攻略法:急階段は「後ろ向き」が正解。マスクや手ぬぐいなど臭い対策もあると安心です(エジプト旅行の持ち物ガイドはこちら
  • 満足度:達成感はありますが、中の景色への過度な期待は禁物かもしれません。ギザのピラミッド内部と比べると開放感はなく、よりワイルドな体験です
屈折ピラミッド表面
化粧石が残ってます

💡 サッカラ・ダハシュールはツアーで回るのも手です
広大なエリアを個人でタクシー交渉しながら回るのはそれなりに大変です。ガイド付きのツアーを利用すれば、移動・チケット手配をまとめてお任せできるので観光に集中できます。

サッカラ・ダハシュールのツアーを探す(GetYourGuide)
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無事に地上へ戻り、新鮮な空気を吸い込むと一安心。チャーターしたタクシーのおじさんは、駐車場でのんびりと待っていてくれました。この人の良さが、この後さらに発揮されることになります。

おじさんからの「謎の果物」プレゼント

ダハシュールからメンフィスへ向かう道中、ふと車窓に目をやると、大通りの道端に果物を売る露店がちらほらと見えました。しかしその光景、なかなかに衝撃的で。果物は砂まみれの環境に無造作に並べられており、「うわっ、衛生的に大丈夫なのかな……。食べたらお腹壊しそう」と心の中でひそかに思っていました。

ところが——まさかそれを食べることになるとは、このとき思ってもみませんでした。

しばらく走ったところで、おじさんが突然「ちょっと待ってて」という顔をして車を路肩に止めました。何事かと思って見守っていると、おじさんは先ほど私が「衛生的にどうなの?」と戦慄していたあの道端の露店へ向かい、何やら果物を買い込んで戻ってきたのです。

「これ、美味しいんだよ。食べてみな!」

差し出されたのは、赤い果物とオレンジ色の果物。おじさんは満面の笑みでこちらに勧めてきます。

「No thank you」と笑顔で断ったのですが、おじさんはまったく引きません。「本当に美味しいから!」と何度も勧めてきます。

……ここまで言われて断り続けるのも失礼すぎる。仕方ない。私は意を決し、半ばおじさんの熱意に押し切られる形で、恐る恐るその未知の果物をかじってみました。

おじさんの期待に満ちた視線を至近距離で感じながら、精一杯の「Good!」を伝えました。もちろん、おじさんへの100%の気遣いです(笑)。正直に言うと、パサついた食感で口の中の水分が一気に持っていかれるような不思議な後味だった気がします。「美味しい!」と手放しで言える味ではなく、それ以上に「明日、自分のお腹は無事だろうか……」という不安の方が勝っていて、あまり味も覚えてません。

ただ、見知らぬ異国の旅人にわざわざ果物を買ってプレゼントしてくれる、このおじさんの人の良さは間違いなく本物でした。エジプト人のおおらかな温かさを、砂まみれの果物とともに受け取った瞬間でした。

赤い果物と黄色い果物
調べたけど何かわかりませんでした、たぶん生デーツかも?

古都メンフィス野外博物館へ

そんな”謎の果物イベント”を経て、次に向かったのが古代都市メンフィスです。

🏛️ メンフィスとは?
カイロ南部に位置する古代エジプトの都市遺跡。古王国時代を中心に、長くエジプトの政治・宗教の要衝として栄えた場所です。首都がテーベなどへ移った後も第一級の重要都市であり続けたとされ、現在は野外博物館として整備されています。ユネスコ世界遺産「メンフィスとその墓地遺跡」の一部に含まれています。

メンフィス野外博物館の入口に到着。入場料は外国人大人200EGP・学生100EGP(2024年11月時点)です。

……ところで、チケット売り場の横に座っていたおじさん、なんだか様子がおかしい。よく見ると、段差の上に座っているのですが、影と角度のせいで足元が消えており、まるで空中浮遊しているように見えます(笑)。段差と影が作り出す目の錯覚なのですが、一瞬本気で驚きました。エジプトの遺跡で目撃した最初の「謎の浮遊現象」でした。

メンフィス野外博物館の入口
浮いてるおじさん (゚Д゚)

横たわるラムセス2世と、野外に眠る石像たち

入場してまず向かうのは、敷地内にある建物の中。そこに鎮座しているのが、このメンフィス博物館最大の見どころ——ラムセス2世の巨大横臥像です。

石灰岩製で全長約10メートル。両足が失われた状態で発見されたため、現在は横たわった姿で展示されています。建物の1階に横たわる姿を、2階の回廊から見下ろすスタイルです。

📖 エジプト彫像の豆知識:左足が前に出ていたら”生きている”サイン
エジプトの石像には法則があります。左足が前に出ているポーズは「生きている」ことを、足を揃えているポーズは「死んでいる」ことを表しているのだそうです。エジプト各地で見られる立像のほとんどに、この法則が当てはまります。ラムセス2世の立像をよく見ると、たしかに左足が前に出ています。次に遺跡で像を見かけたとき、ぜひ確認してみてください。

ラムセス2世の巨大横臥像
こんな巨大なのが3000年以上も前に作られたそうです

見下ろしてみると、その大きさに改めて圧倒されます。近くにいる人間が小さく見えます。仮に直立していたら何メートルになるんだろう……と想像すると、気が遠くなります。

建物を出ると、広大な野外エリアに石像や石碑が点在しています。ヤシの木の下にのんびりと並ぶ石像たちを眺めながら歩くのは、カイロの喧騒とはまるで別世界の、静かで穏やかな時間でした。

メンフィス

野外にはアラバスター製のスフィンクス像も展示されています。全長約8m・重さ約80トンと、ギザの大スフィンクスと比べればずっと小さいですが、エジプト国内では2番目の大きさとされています。保存状態が良く、顔の細部まで美しく残っているのが特徴です。ギザのスフィンクスは長年の風化で顔が削れてしまっていますが、こちらはずっと表情がはっきりしていて、穏やかで知的な顔立ちが印象的でした。

スフィンクス
アラバスター(雪花石膏)のスフィンクス

敷地内には立像のラムセス2世像もあり、青空とヤシの木をバックにそびえ立つその姿は、写真映えも抜群です。先ほどの豆知識を思い出して足元を確認したら、ちゃんと左足が前に出ていました(笑)。

ラムセス2世
ラムセス2世さんはエジプトのいたるところにいます

メンフィス野外博物館 基本情報

場所カイロ南部・Mit Rahina地区
入場料(外国人)大人200EGP・学生100EGP(2024年11月時点)
主な見どころラムセス2世横臥像・アラバスター製スフィンクス・ラムセス2世立像・野外石像群
所要時間約30〜60分
アクセスカイロ市内からタクシーで約40〜60分。サッカラとセットで回るのが一般的
入場料の案内
入場料の案内板

⚠️ 入場料はエジプトの観光地全般で値上がり頻度が高いため、訪問前に最新情報をご確認ください。

メンフィスの静かな余韻を胸に、次はいよいよこの日最後の目的地——サッカラの階段ピラミッドへと向かいます。

続きはこちら↓
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