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【エジプト旅行㉜】砂漠の検問所を越えて|ハマダさんの執念とアブ・シンベル神殿の感動
アブ・シンベル神殿での圧倒的な体験を終え、ハマダさんの車で無事にアスワンの宿へ戻ってきました。明日は朝9時25分のフライトでカイロへ向かいます。到着後はそのままギザへ移動し、2泊の予定です。
翌朝の送迎を確保する
空港には2時間前に到着したいので、逆算すると朝7時前には出発しなければなりません。しかし、このエリアで朝にタクシーを捕まえるのは簡単ではありません。そこで私は、アブ・シンベルからの帰り際にハマダさんへ翌朝の空港送迎を依頼しました。料金は400エジプトポンド(約1,200円)ほど。飛行機に乗り遅れるリスクを考えれば、背に腹は代えられません。
とはいえ、不安は残ります。「もし来なかったらどうする…?」そこで私は一つ”保険”をかけました。本来このタイミングで渡す予定だったチップを、「明日の送迎後にまとめて渡す」と伝えたのです。信頼しつつも、こうした判断も一人旅では重要です。
静かな夜とローカルな食事
宿の周辺には食事ができる店が見当たらず、小さな売店で菓子パンとスナックを購入しました。袋にはうっすら砂が付いていて、触るとザラザラとした感触。思わず「さすが砂漠の街だな」と苦笑いしつつ、部屋で軽く水で洗ってから食べることに。素朴な味でしたが、疲れた体にはむしろちょうどよく、印象に残る食事になりました。


“テキトー”だけど安心できる宿
この宿にはフロントがありません。チェックアウト方法を尋ねると、
「鍵を部屋に置いてそのまま出て行っていいよ」
と一言。日本では考えにくいですが、この地域ではごく自然なスタイルのようです。村全体に穏やかな空気が流れていて、不思議と不安は感じませんでした。ベランダに出ると、ナイル川にボートが静かに並んでいて、時間がゆっくり流れていきます。

絶望から始まった一日でしたが、終わってみれば充実感しか残っていません。静かな夜でした。

翌朝、約束の時間
翌朝は5時半に起床。準備を整え、少しだけ外の空気を感じます。やがて約束の6時半。車の場所へ向かいますが、ハマダさんの姿はまだありません。少し不安になったその時——彼が無事に現れました。

この日の彼はトーブ姿。アラブ圏の男性が着る白い伝統的な長衣で、普段と雰囲気が違い、一瞬誰かわからなかったほどです。どうやら金曜日だからとのことでした。
💡 金曜日はイスラム圏の特別な日
イスラム教の礼拝(サラート)は1日5回行われますが、金曜日の正午には「ジュマ(集団礼拝)」と呼ばれる特別な礼拝があります。必ずモスクに集まって行うことが義務づけられており、イスラム教において最も重要な礼拝とされています。敬虔なムスリムにとって、金曜日は格別に大切な日なのです。
無事に空港へ到着し、約束の料金と多めのチップを渡してお別れ。彼がいなければこの旅は成立していなかったと思います。
アスワン空港とエジプト式の列
アスワン国際空港は小さな空港ですが、手続きには想像以上に時間がかかりました。また、エジプトでは列の並び方にも注意が必要です。前の人との間隔を空けると自然に割り込まれてしまうことがあります。日本の感覚で並んでいると驚くかもしれません。

国内線でカイロへ(ナイルエア)
今回利用したのはナイルエア。価格は14,420円でした(やや高め)。機内では水とパイナップルジュースが配られ、「飲み物+飲み物」という少し不思議な組み合わせに思わず笑ってしまいました。フライト時間は約1時間半ほどで、トータルでも2時間程度でカイロに到着します。


空港送迎トラブルとお祈り文化
カイロ空港到着後、宿の送迎を依頼していたはずが、迎えの姿が見当たりません。WhatsAppで連絡すると、何人かを経由してようやくドライバーと繋がることができました。しばらく待つと、年配の男性がこちらへ駆け寄ってきて、なんとか合流することができました。
しかしすぐに出発…とはならず、
「今お祈り中だから待ってて」
と言われ、お祈りの場所から少し離れた場所で待機することに。サラート(イスラム教の礼拝)は1日5回行われる重要な習慣であり、生活の最優先事項です。とくに金曜日は、集団礼拝であるジュムア礼拝が行われる特別な日です。
ちょうどこの時は正午過ぎだったため、礼拝の時間と重なっていたのだと思います。ドライバーさんにとっても、仕事より優先すべき大切な時間だったのでしょう。この出来事で、それを強く実感しました。

ついにピラミッドと対面
お祈りが終わり、ようやく出発。しばらく走っていると、ドライバーが「ピラミッドが見えるよ」と一言。窓の外を見ると、突然現れる巨大なピラミッド。想像していた以上のスケールに、一気にテンションが上がりました。

ギザ到着、そして小さな後悔
今回の宿はピラミッドが見える立地。そのため周辺は観光バスやタクシーで大渋滞でした。ドライバーも宿の場所が分からず、最終的には宿のスタッフと電話しながら到着。なんとか辿り着きました。

ただ、渋滞の中で慌てて降りたため——チップを渡し忘れてしまいました。これは完全に反省です。
アスワンでの「執念の逆転劇」から始まり、砂漠を越え、空を飛び、ついにエジプトの象徴であるピラミッドの麓まで辿り着いた移動日。最後はチップを渡しそびれるという小さなハプニングもありましたが、それもまた「旅のリアル」です。
次回からは、いよいよギザでの出来事をお届けします。
【エジプト旅行㉞】ギザ到着!ピラミッズ・ビュー・インとピラミッドが見える贅沢な夜
アスワン・アブシンベルのまとめ記事はこちらの記事で紹介してます。
→【アスワン観光まとめ】アブシンベルの行き方・フィラエ神殿・宿選び・移動手段を解説


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