※この記事は連載「ローカル飯と夜景を追う、台湾縦断ひとり旅。」の第10話です。
台湾縦断ひとり旅の2日目。朝ごはんを食べたあとは、高雄駅から電車で台南へ向かいます。
Googleマップの案内どおりに電車を選び、EasyCard(悠遊カード/ゆうゆうカード)で改札を通って乗車。……したのですが、乗った電車はEasyCardでは乗れない特急でした。車内で切符を買い直し、ペナルティ79元を含めて合計237元を払うことに。
同じ失敗をする人は、けっこう多いと思います。この記事では、何が起きたのかと、どうすれば防げたのかをまとめました。
前回の記事は→高雄の朝ごはん「明星朝食屋」のチーズダンピン【台湾縦断ひとり旅⑨】
💡 先に結論:高雄→台南をEasyCardで乗るなら、ここだけ確認
- 電光掲示板に「新自強/New TzeChiang」と出ている列車は、EasyCardでは乗れない。新型車両EMU3000の自強号で、台湾鉄道の規定でも電子票証(台湾では「電子票證」。EasyCardなどのICカードのこと)は使えません。乗るなら券売機や窓口で乗車券を買います
- Googleマップではふつうの自強号と同じ「Tze-Chiang Limited Express」と表示され、見分けがつきませんでした
- 知らずに乗ると、車内で運賃に加えて50%の追加料金(加収)を払うことに。私のときは運賃158元+ペナルティ79元=237元(約1,220円)
- 到着駅では、改札にタッチする前に「補票所」(台湾では「補票處」)の窓口へ。車内でもらったレシートとEasyCardを見せて、入場記録を取り消してもらいます。改札はレシートのQRコードをかざして出ます
- EasyCardだけで乗りたいなら、掲示板に「區間(Local)」と出ている普通列車を選ぶのが安心です
7:40ごろチェックアウト。歩いて高雄駅へ
朝ごはんから戻って荷物をまとめ、7:40ごろに梅花大飯店をチェックアウトしました。
高雄駅までは歩いて7分ほど。地下に新しくなった高雄駅は、天井に丸い模様がたくさん並び、大きな吹き抜けから空が見える開放的なつくりです。朝早いこともあって、人はまばらでした。

どの電車に乗ればいい?GoogleマップとChatGPTに聞いてみた
じつは、台南へはどの電車に乗ればいいのか、あまりわかっていませんでした。そこでGoogleマップの経路案内に出てきた電車で行くことに。
Googleマップでは、7:57発の「Tze-Chiang Limited Express(自強号)162」に乗れば、1駅・29分ほどで台南駅に着くと表示されていました。

念のため、以前、上海での道案内で役に立ったChatGPTにも「今から高雄駅から台南へ向かうには、どの電車に乗ればいい?」と聞いてみました。返ってきた答えは、だいたいこんな内容です。
- 台湾鉄道(台鉄)で「台南(Tainan)」駅へ行けばOK
- 券売機か窓口で切符を買うか、EasyCardで乗れる列車なら改札にタッチして入ればいい
そこで「EasyCardで乗りたいんだけど、Tze-Chiang Limited Express(自強号)ってのに乗っていいんだよね?」と聞くと、こんな答えでした。
- 区間車・区間快車:EasyCardで乗れる
- 通常の自強号:基本的に利用可能
- 自強3000:EasyCardでは乗れないので、切符が必要
- 電光掲示板で「自強3000」ではないことを確認してから乗ってね
なるほど、「3000」と書いてある電車にさえ乗らなければ大丈夫なんだな。そう判断して、EasyCardで改札を通りました。
掲示板のどこにも「3000」とは書いていなかった
高雄駅の電光掲示板で、Googleマップに出ていた162次を確認。表示は「新自強 New TzeChiang」で、「3000」という文字はどこにもありません。
このときの私の頭の中は「3000と書いてなければOK」。これに乗ればいいんだと判断しました。

駅の案内板に書いてあったホーム(2A)へ向かうと、タイミングよく電車が入ってきたので、「ラッキー」と思いつつ、念のため「3000」と書かれていないことを確認して乗り込みます。

あとで車内でもらったレシートには「自強(3000) 162次」と書かれていたので、この「新自強」こそが、ChatGPTの言う「自強3000」でした。掲示板では「新自強」、Googleマップでは「Tze-Chiang Limited Express」、レシートでは「自強(3000)」。同じ電車なのに、呼び方がバラバラだったわけです。
📝 豆知識:「新自強」=EMU3000
「新自強号」は、台湾鉄道の新しい特急車両EMU3000で走る自強号のことです。台湾鉄道の公式規定では、EasyCardなどの電子票証(ICカード)で乗れない列車として「自強(3000)型」が挙げられていて、普悠瑪(プユマ)号・太魯閣(タロコ)号も同じ扱いです。同じ「自強」という名前でも、ICカードで乗れる列車と乗れない列車があるので、名前だけで判断しないのが大切です。電光掲示板では、ふつうの自強号は赤字の「自強」、新自強は黄色の「新自強」と、色も文字も分けて表示されていました(2026年10月時点、高雄駅で私が見た表示)。
車内がやけに快適だと思ったら…
乗り込んだ車内は、とてもきれいでした。グレーのシートがずらっと並び、窓の上には「6 窓/8 道」のように座席番号が書いてあります。

座席番号があるので、指定席の電車なのかな?と思いつつ、ChatGPTからは「指定席を持っていないなら、予約した人が来たら席を譲ってね」と言われていたので、誰も来なければ空いている席に座っていいものだと思っていました。
ひじかけにはUSB(Type-A・Type-C)の充電口、窓の下には小物を置ける棚、壁にはカバンなどを掛けられるフック。座席の背もたれのテーブルには、車両ごとのトイレや荷物置き場の案内まで描かれていました。

「台湾の電車、なんかものすごく快適だな」と思っていたら、それもそのはず。特急だったんですね。
車内で補票。運賃158元+ペナルティ79元=237元
しばらくすると、若い女性の車掌さんが私のいる車両に入ってきました。手にした端末と座席番号を見比べながら、1席ずつ確認している様子。それを見た瞬間、嫌な予感が走りました。
(えっ……まさか、乗っちゃいけない電車だった……!?)
ここは言葉の通じない異国の地。もし無賃乗車扱いになったらどうしよう? 別室へ連れて行かれて取り調べを受けるんじゃ……と、良からぬ妄想が頭を駆け巡ります。車掌さんが一歩ずつ近づいてくるにつれ、心臓のバクバクが止まりません。
ついに私の横で立ち止まり、何か話しかけてきました。たぶん「乗車券はお持ちですか?」といった内容だったと思います。でもパニック状態の私にはさっぱりわからず、おそるおそる差し出したのはEasyCard。困った顔をしていると、車掌さんが察したように言いました。
「ジャパニーズ?」
「イ、イエス……!」
すると車掌さんは嫌な顔ひとつせず、スマホの翻訳アプリの画面を見せながら、丁寧に説明してくれました。画面には「この電車はEasyCardでは乗れません。別途、切符を買う必要があります」という文と、「237」という金額。
「クレジットカードは使えますか?」と拙い英語で聞いてみたものの、発音が悪くて通じなかったのか、カードが使えないのかがわからず、結局、現金で237元を払いました。受け取ったのは、QRコードが印字されたレシート1枚です。
さらに車掌さんは、もう一度翻訳アプリで教えてくれました。「入場時にタッチしたEasyCardの記録を取り消す必要があります。ここでは処理できないので、台南駅の窓口でこのレシートとカードを一緒に出してください」。最後まで完璧なサポートです。
ガクガク震えていた私をよそに、車掌さんは最初から最後まで丁寧で感じのいい方で、爽やかな笑顔で颯爽と去っていきました。まさに「笑顔の徴収人」。慣れた様子だったので、私のように間違えて乗る人は多いのかもしれません。
あとから冷静になって考えると、私が座っていた席を誰も予約していなかったのは本当に幸運でした。もし予約済みの席だったら、その人にまで迷惑をかけるところでした。私のせいで「日本人はマナーが悪い」なんて思われたら大変です……!
車掌さんにはお手数をおかけしましたが、結果的に快適な特急に乗れて、いい経験になりました。

| 列車 | 自強(3000) 162次(掲示板の表示は「新自強」) |
|---|---|
| 区間 | 高雄 → 台南 |
| 票価(運賃) | 158元(約810円) |
| 加収(追加料金) | 79元(約410円) |
| 合計 | 237元(約1,220円)、現金払い |
※2026年10月、私が受け取ったレシートより。円は1元=約5.15円の目安です。
台湾鉄道の公式規定では、電子票証で乗れない列車に乗った場合は「無票乗車」の扱いになり、乗った区間の運賃に加えて、その50%を追加で払うことになっています(台湾鉄道公式:多卡通電子票證乘車營運規定、2025年6月23日乗車分から適用)。
ペナルティの79元は、ちょうど運賃158元の50%。ペナルティ50%って、なかなか大きいです。とはいえ、日本円にすると400円ちょっとです。
台南駅に着いたら「補票所」へ。EasyCardの入場記録を取り消してもらう
Googleマップの案内どおり、8:30前には台南駅に到着。高雄駅とは対照的に、なんとなく歴史を感じるホームです。

ここで注意がひとつ。私は高雄駅でEasyCardをタッチして入っているので、カードには「入場した」記録が残っています。車内で運賃を払ったので、この記録を取り消してもらう必要があります。
電車の中で車掌さんに言われたとおり、改札の横にある「補票所(Fare Adjustment)」の窓口で、車内でもらったレシートとEasyCardを見せました。レシートの下にも「電子票証(ICカード)で入った人は、出る前にこの補票単で入場記録を取り消して」という意味のことが書いてあります。公式規定では、この手続きをせずに改札を出てしまうと、あとから返金などの対応は受けられないとされているので、改札の前に必ず窓口へ寄りましょう。

もらった証明のレシートを見ると、EasyCardからの引き落としは「0元」。運賃を二重に取られることはありませんでした。ひと安心です。

EasyCardの入場記録を取り消してもらう方法をまとめると以下になります。
- 改札にEasyCardをタッチする前に、補票所(Fare Adjustment)の窓口へ行く
- 車内でもらったレシートとEasyCardを窓口に出す
- 処理が終わると、証明のレシートをもらえる
- 改札では、EasyCardではなく車内でもらったレシートのQRコードを、改札機の読み取り口にかざして出る
改札機の画面の下には、QRコードを読み取る小さな窓がついていて、そこにレシートのQRコードをかざすと通れました。車内でもらったレシートは、運賃を払った証明であり、改札を出るためのきっぷ代わりでもあるので、なくさないように持っておきましょう。

ちなみに台南駅の補票所の窓口には、クレジットカード(VISA・Mastercard・JCBなど)やApple Pay・Google Payのマークが貼ってありました。車内でカードが使えたのかどうかは、私にはわからないままです。
⚠️ Googleマップの案内だけで乗ると、間違えやすいです
- Googleマップでは、新自強もふつうの自強号も「Tze-Chiang Limited Express」と表示されていました
- EasyCardで改札はふつうに通れてしまうので、その場では間違いに気づけません
- 乗る前に、駅の電光掲示板で車種を確認するのがいちばん確実です。「新自強(New TzeChiang)」なら、券売機や窓口で切符を買ってから乗りましょう
- 決まりは変わることがあります。心配なら、駅の窓口で行き先を見せて「EasyCard OK?」と聞いてみると安心です
予想外のことから始まった朝でしたが、気を取り直して、いよいよ台南の旅のはじまりです。

高雄→台南の移動データ(私のとき)
| 日付 | 2026年10月 |
|---|---|
| ホテル → 高雄駅 | 徒歩7分ほど(7:40ごろチェックアウト) |
| 乗った列車 | 162次 新自強(EMU3000)7:57高雄発 |
| 台南駅着 | 8:30前(Googleマップの表示は8:26〜8:28着) |
| 払った金額 | 237元(運賃158元+ペナルティ79元)、車内で現金 |
| EasyCard | 台南駅の補票所で入場記録を取り消し(引き落とし0元) |
第10話のまとめ:「新自強」の文字を見たら切符を買う
- 電光掲示板の「新自強/New TzeChiang」は、EasyCardでは乗れない特急(EMU3000)
- Googleマップや掲示板には「3000」の表示がなく、改札もEasyCardで通れてしまう
- 知らずに乗ると、車内で運賃+50%。私は158元+79元=237元を現金で払った
- 到着駅では、改札にタッチする前に補票所へ。レシートとEasyCardを見せて入場記録を取り消し、改札はレシートのQRコードで出る
- 車内はきれいで快適。切符を買って乗れば、高雄から台南まで30分ほどの快適な移動です
次の記事は→台南・大天后宮の参拝方法|「入場料100元」と勘違いしてお供えセットを抱えた話【台湾縦断ひとり旅⑪】
高雄編のまとめはこちら→高雄1泊2日ひとり旅まとめ|モデルコース・費用・移動手段と行ってよかった場所


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